食べても食べても痩せるのは、糖尿病悪化のサイン!?

体重計

2型糖尿病の方の場合、太っている方が多いです。

しかし、血糖コントロールがうまくできなかったり、治療をしないで放置していたりすると、食べても食べても痩せていってしまいます。

これは、肥満の方がダイエットによって痩せるのとは全く意味が違います。

糖尿病の悪化を意味し、とても危険な状態です。

目次

血糖コントロールのしくみは?

インスリン食事から摂った糖質は、ブドウ糖など最小の単位にまで分解され、私たちはそれをエネルギー源として利用します。

この時必要なのがインスリン。

血液中のブドウ糖を効率よく利用するためのホルモンです。

  1. 糖質は、腸でブドウ糖に分解されたあと、血液中に取り込まれます。
  2. 血液中にブドウ糖が増えると、すい臓からインスリンが分泌されます。
  3. インスリンはブドウ糖をエネルギー源として利用できるように全身の細胞に起こります。そして、過剰なブドウ糖は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして、脂肪組織に中性脂肪として蓄えられ、必要に応じて使われます。

このように、食事によって増える血液中のブドウ糖の量をインスリンによって高くなり過ぎないように調節されています。

なぜ痩せるの?

糖尿病が進行、悪化するとなぜ痩せるのでしょうか?

体の中で何が起きているか見てみたいと思います。

第1段階:食後だけ高血糖

肥満日本人はもともと民族的にインスリンを分泌する能力が低く、2型糖尿病になりやすい体質の人が多いのだそうです。

そこに、食べすぎ、暴飲暴食、運動不足、ストレス、不眠、喫煙などの生活習慣が重なると、段々とインスリンの分泌が減ったり、効きが悪くなり、細胞に糖が取り入れられにくくなります。

第1段階としては、最近よく目や耳にする「血糖値スパイク」や「食後高血糖」といわれる状態になります。

この時期は自覚症状がなく、ほとんどのケース気づかないないのですが、食後の血糖値が基準値を超え高くなる状態です。

食後、急激に血糖値が上がり、その後一気に下がる「血糖値スパイク」。肥満や糖尿病、突然死の原因になるとても怖い状態です。しかも気づかないまま・・・。健康診断で問題ないといわれた人にも起こっているかもしれない怖い血糖値スパイクについて詳しく、そして対策を紹介します。

第2段階:糖尿病の発症

ちょっと太め血糖値スパイク、食後高血糖を起こす状態を放置していると、

  • 血糖値を下げるインスリンの分泌量が減る
  • インスリンが効きにくくなる など

糖尿病を発症することに。

食後だけでなく、空腹時の血糖も基準を超え、少しずつ上昇していきます。

第3段階:糖尿病の進行

痩せてきた?糖尿病を発症したにもかかわらず、適切な治療をせず放置してしまうと、ますますインスリンの分泌能力、効きが低下していきます。

すると、食後や空腹時の血糖値が高くなるだけでなく、1日の中で血糖値の高い時間が長く続くようになります。

そしてさらに進行すると、睡眠中に分泌される基礎分泌も低下し、一日中血糖値が高い状態に。

このような状態になると、血液中にブドウ糖はあふれているにもかかわらず、細胞に糖が取り込めないため、エネルギー不足に陥ります。

そのため体はエネルギー源を求め、代わりに、脂肪や筋肉を分解。エネルギー源とし始めます。

脂肪や筋肉が分解されるということは、体は次第に痩せていってしまいます。

第4段階:糖尿病の悪化

痩せ第3段階を過ぎても、適切な血糖値コントロール、治療をしないでいると、糖尿病はさらに悪化。

ますます脂肪や筋肉が分解されてしまうことに。

食べても食べても痩せていってしまい、筋肉が減ると、転倒したり、寝たきりになるリスクも高まります。

この状態にもかかわらず放置していると、脱水症状も加わり、昏睡状態に陥ることがあります。

大変危険な状態です。

まとめ

糖尿病が進行し、インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞に取り込めず、エネルギー不足になってしまいます。

そのため体は、筋肉や脂肪細胞などに蓄えられているブドウ糖を代用として使い始めるため、食べているのになぜか体重が減ってしまうということに。

肥満のために適正なダイエットをして痩せるのではなく、食べているのに体重が減る場合は、糖尿病が悪化している状態です。

食べても食べても痩せる場合は、必ず病院を受診しましょう。