ある調査によると、外来に定期的に通院していた糖尿病患者の約50%が、5年以内に通院を止めているのだそうです。
もちろんその中には、転居などの理由で別の病院に移った人もおられるでしょうが、そのほとんどは治療を中断しているといわれています。
そして、次に「やばいかも!?」と思って病院に行ったときは、すでにかなり悪化していることがほとんど。
糖尿病の治療は絶対中断しない、これがすべての治療の中で一番重要です。
目次
どうして中断してしまう?
治療を中断してしまう人がなぜ多いのか、その主な理由は、
- 自覚症状がないので、大したことない、大丈夫だろうと思った。
- 出張や忙しい時期で、通院を休んだのをきっかけにズルズルと行かなくなってしまった。
- 主治医に言われた食事や運動療法をなまけてしまい、怒られるのがイヤだったから。
- 引越しをきっかけに、新しい病院探しを後回しにしていたら、結局病院に行かなくなってしまった。
- 検査の数値がよくなったので、もうこれで大丈夫だと思ったから。
- 薬を飲まなくてよくなり、治ったと思った。
といった理由が多いようです。
超尿病は一生の病気です!
糖尿病になっても、食事や運動療法、状態によっては薬物療法をしっかり行い、定期的に検査を受け、合併症を予防できていれば、健康な人と同じように生活することができます。
治療によって、検査値を正常化することはできます。
しかし大事なことは、一度糖尿病を発症してしまうと、その体質が治ることは一生ありません。
検査数値がよくなれば治ったんじゃないかと思いがちですが、そうじゃないのが糖尿病という病気の特徴です。
完全に治ったのと同じ状態を維持することはできても、体質が変わることがないので、食事や運動などの手を緩めるとたちまち病気が進行してしまいます。
中断した結果・・・
治療中断後、しばらくして再び治療を受けに来るケースも多いです。
何かしら体に異変を感じて病院に再び訪れる方が多いですが、間違いなく以前通院していた時よりも確実に糖尿病の症状が悪化していることがほとんどです。
合併症を発症・悪化し、治療がより困難になってしまう・・・
大切なことは
糖尿病の治療は、怪我が治って、風邪が治って治療を終え、病院に通わなくてよくなるのとは違います。
自覚症状がないと、ほんとに病気なんだろうか?大丈夫なんじゃないか?と思ってしまいます。
病院に通うのは時間がとられるので、例えば会社に行っている人などは都合をつけなければならないですし、自覚症状がなければどうしても億劫、めんどくさくなってしまい、足が遠のいてしまう、すごくよくわかります。
それが怖いので、父は血糖自己測定でチェックするようにしています。
予備群と診断された当初は食後高血糖になっていて、測ると基準値を超え、でも体には何の異変もなかったです。ただ、血糖自己測定をすることで数値としてはっきり現れ、父の体に合った対策がとれれば、食後血糖値はスパイクを起こさず基準値になっていました。
しかし年月が経つにつれ、最初の頃に比べ、どうしても怠けてしまうこともあり、するとしっかり血糖値は基準値を超え上昇。治っていないことが一目瞭然です。
こうしてチェックすることで、病院に行く意味がしっかり認識でき、定期的に通っています。
もし血糖コントロールがよくなくても、病院に通っているとその状態に合わせた治療がいち早く行え、何より怖い合併症の発症や進行を抑えることができます。
出張や忙しい時期など様々な理由で通えない時もあると思いますが、その時は主治医に状況を話し、治療日の周期を変えてもらうなど通い続けるためによい方法を相談しましょう。
治療を中断しない!これが何より大事です。
まとめ
糖尿病予備群や初期で症状がない場合は、実感がないだけに通院を続けるモチベーションが下がってくる方が多いです。
通院するには、仕事をやりくりしたり、小さいお子さんや介護がある方は誰かのサポートが必要だったり、とにかく大変。中断してしまうのもよくわかります。
しかし自覚症状はなくても、体の中ではダメージが!
日々ジワジワと進行しています。
しっかり治療をすることで検査値を正常化し、合併症を予防し、健康な人と同じように生活することはできます。
ただ、完治することはありません。
一度糖尿病を発症してしまうと、その体質は一生続きます。
治療によっても抑えられても、治ってはいないのです。
いろいろ事情はあると思いますが、主治医に相談し、中断だけは絶対にしないようにしましょう。