血糖値は「下げる」のではなく「コントロールする」のが糖尿病治療の基本！

糖尿病は血糖値が高くなる病気です。

なので下げなければいけません。

しかし、闇雲に下げるのも体に害が生じてしまいます。

糖尿病を改善・進行させないために大事なことは、血糖をコントロールし、一定のレベルに安定させることです。

血糖コントロールとは？

「血糖コントロールをする」とは、血糖値が正常かそれに近い状態に保つことです。

高い、高すぎる血糖値は大問題ですが、異常に下がってしまうのも危険です。

異常に下がってしまうと、発汗、動悸、手足のふるえ、意識混濁、けいれん、昏睡など、いわゆる低血糖の症状が出てしまいます。また低血糖状態が慢性化してしまうと、血管に障害を起こす原因になります。

そのため、正常値またはそれに近い状態で血糖コントロールすることが大切です。

対策

損なわれたすい臓の機能は元に戻ることがほとんどないため、一度糖尿病になってしまうと治ることはありません。

しかし、糖尿病で本当に怖いのは合併症を起こすこと、進行することです。

これは、血糖コントロールによってリスクを下げることができます。

基本の３つの対策

食事療法

その人にとっての適切なカロリーを摂り、糖質を抑え、食後血糖値を緩やかにする食べ方など、血糖値の上昇をコントロールすることが大切です。

また、肥満がある方は解消しましょう。

内臓脂肪が増えると、太った異常な脂肪細胞ができ、そこから血糖値を下げるために大切なホルモンであるインスリンの働きを悪くするホルモンが分泌されます。

運動療法

運動をすることで質のいい筋肉がつくられ、インスリンの働きをよくしたり、血糖値を下げたりする効果が期待できます。

また、肥満解消や質のいい睡眠が得られたり、ストレス解消したり、糖尿病改善に良い様々な効果もあります。

薬物療法

1型糖尿病の場合は、分泌するインスリンが決定的に不足しているため、治療開始直後からインスリン注射が必要になります。

一方2型糖尿病の場合は、必要に応じて経口血糖降下薬やインスリン注射などの治療が行われます。

血糖コントロールがうまくいくようになったら？

正常な血糖値範囲を安定して維持できるようになった後も、食事療法や運動療法、人によっては薬物療法を継続していかなければいけません。

一度糖尿病になってしまうと、健康な時と同じに戻すことができないからです。

一生、血糖コントロールをしっかり行い、糖尿病が進行しない生活を続けていくことが必要です。

血糖コントロールって大変？

糖尿病や予備群と診断されると、血糖値を下げるために、あれもこれもとやらなければならないことがいっぺんにたくさん出てきます。

そもそも食事や生活習慣が発症の大きな原因の一つになっているので、これまでの習慣を改めるのは正直大変です。

好きなものを好きなだけ好きな時に食べれないですし、ラーメンやカレー、パスタ、白米、パン、スイーツなど、これまで当たり前に食べてきた食べ物は炭水化物（糖質）が多いため、控えたり、少なくしたり、食べ方に工夫をしたり、病気の状態や体質などによって我慢しなければならないことが多くなります。

気分が滅入り、つらいばかりに思ってしまう方も多いと思います。

「これが死ぬまで続くのか・・・」

でも、そんな時は視点を変えてみてください。

食べられるものを結構いろいろあります。

これは食べられる、こうすれば血糖値が上がりにくいというものをどんどん見つけましょう。

例えば、以前はなかなか見つからなかった糖質制限食品なども、昨今の糖質制限ダイエットブームと相まって、おいしく、種類も豊富になってきました。

今、つらいと思うことも、習慣化し、当たり前になってくると、苦ではなくなります。

大切なのは、できないことばかりを探すのではなく、できることをいっぱい見つけていきましょう。

まとめ

高い血糖値を下げることが糖尿病治療の基本です。

しかし、ただ闇雲に下げるだけでは体に害を及ぼしてしまいます。

大切なのは、正常値を安定して続けあれる「血糖コントロール」です。

血糖コントロールがきちんとできれば、怖い合併症の発症や進行を抑えることができます。

しっかり血糖コントロールしましょう。