糖尿病は、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。
別名「サイレントキラー」と言われるように、症状が現われてきたときにはかなり進行しているという怖い病気です。
糖尿病には様々な症状が現れますが、その一つ、「爪」にも見られます。
なぜ爪に現れるのか、そしてどのような症状が見られるか、爪に出る糖尿病の症状について詳しく見てみたいと思います。
目次
なぜ爪に現れる?
糖尿病の人は動脈硬化が起こりやすく、悪化しやすいです。
動脈硬化を起こすと、血液の流れが非常に悪くなり、動脈の血管壁が弾力性を失い、破れやすく、また詰まりやすくなります。
特に体の末端部分である爪は血液が送られにくく、爪やその周辺の皮膚に十分な栄養が送れなくなり、爪に様々な症状が現れます。
主な症状
糖尿病の症状は爪にも現れます。
どんな症状が現われるか、主なものを紹介します。
爪が硬くなる
糖尿病が進行するにつれ動脈硬化も進み、末端神経まで十分な血液が行き渡らないため、爪が硬くなる症状が現われることがあります。
巻き爪
巻き爪は、爪の端が巻いてアルファベットの「C」のように内側に巻き込んだものや、ホッチキスの針のように爪の角が直角に強く折れ曲がった爪の状態。皮膚に食い込み、ズキズキとした激しい痛みをともないます(糖尿病が進行していると、痛みを感じないことがあります)。
主な原因は「靴などによる外からの圧迫」や「深爪」などですが、糖尿病の血流障害が原因で起こることがあります。
巻き爪によって皮膚が傷つくと、そこから細菌が侵入し、化膿や炎症を起こし、壊疽してしまうことも。
糖尿病の場合、なかなか治りにくく、治療が進まないことが多いので、まず巻き爪にならないよう注意が必要です。巻き爪になってしまっている場合は、医療機関で適切に治療しましょう。
横向きに線、溝が入る
糖尿病による動脈硬化が進むと血液循環が悪くなるため、爪の成長が一定でなくなります。そのため爪が波打ったり、深い溝ができたりします。
縦に入る線は老化などが原因で大きな心配はありませんが、横に入っている線はなんらかの血液関係の病気が疑われるので、一度病院で診てもらいましょう。
爪乾燥して白く濁る
糖尿病になると、足先まで十分な血流が行き渡らなくなるため、爪は乾燥しやすくなり、白っぽくなることがあります。
爪の成長が一定でなくなるため、白い線がいくつも入ることも。
爪が白く濁るのは糖尿病や内臓疾患が疑われるので、できるだけ早く病院で検査を受けましょう。
爪が厚くなる(爪肥厚)
糖尿病がかなり進行すると、爪が異常に分厚くなります。分厚くなった部分は非常に脆く、ヒビが入ったり、割れやすい状態に。
糖尿病が改善すると爪の厚みは正常の厚さにもどります。
こまめに足のチェック&フットケアをしよう!
血糖コントロールが悪い状態が続くと、爪の表面が白く濁ったり、厚くなったり、痛みをともなわずに爪が自然と剥がれ落ちることがあります。
爪はひとつのバロメーター!
目でチェックできるので、清潔に保つとともに、毎日チェックすることが大切です。
フットケアと合わせてしっかりチェックしましょう。
まとめ
糖尿病は、別名「サイレントキラー」と言われるように初期段階ではほとんど自覚症状がありません。
なんだかおかしいな?と思ったときには、かなり病気が進行しています。
爪に症状が出るということは、すでにかなり進行している可能性が高いです。しかし逆に言うと、目でチェックができ、わかりやすい場所でもあります。
糖尿病の症状は「爪」にも見られます。
爪に上記で紹介したような症状が現われたら、すぐに病院で検査を受けましょう。
また、すでに糖尿病と診断されている方も改善するにつれ爪の状態が改善されるので、視覚で確認することができる「糖尿病のバロメーター」として、フットケアと合わせて毎日しっかりチェックしましょう。