タラの芽【血糖値を下げる効果が期待できる食べ物】

タラの芽

独特の風味とほろ苦さがあり、「山菜の王様」とも呼ばれるタラの芽。

春を告げる食材として人気です。

このタラの芽には、血糖値の上昇を抑える働きを持つ成分が含まれています。

糖尿病予防にもおすすめの食材です。

目次

タラの芽とは?

タラの芽タラの芽は、ウコギ科のタラノキの新芽。

タラノキは全国の山野に自生しており、芽吹く時期は、早い地域であれば3月ごろ、一般的には4月~6月ごろまでが旬です。

山菜採りでに行かれる方の中でも人気の山菜の一つで、春になるとスーパーにも並びます。

ただし、スーパーのもののほとんどはハウス栽培によるものです。

和え物やおひたしなどに使われますが、一番は人気は天ぷら。

春の訪れを告げる食材です。

エラトサイドが糖対策に有効!

タラの芽には、苦味成分である「エラトサイド」が含まれています。

サポニンの一種で、糖やアルコールの吸収を抑制する有効成分です。食後の急な血糖値上昇を抑える働きがあり、糖尿病予防が期待できます。

また抗酸化作用を持つサポニンの一種なので、細胞の酸化を防ぐ働きがあり、がんや老化予防も期待できます。

主な栄養成分

タラの芽の天ぷら-主な栄養成分-(100gあたり)

エネルギー27kcal
炭水化物4.3g
たんぱく質4.2g
食物繊維
4.2g
カリウム
460mg
マグネシウム33mg
リン120mg
βカロテン570μg
葉酸160μg
パントテン酸0.53mg

※糖質:0.1g

カリウム

カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保つ成分です。

余分なナトリウムの排出を促して血圧を下げたり、腎臓からの老廃物の排出を促す作用もあります。

特に筋肉細胞に多く、筋肉の動きをよくする働きを持つミネラルです。

リン

リンは、カルシウムと結合して骨や歯を作り、丈夫に保つために働くミネラルです。

その他、細胞膜や核酸、高エネルギー源のATP(アデノシン3リン酸)の成分、糖質の代謝サポートとしての働きもあります。

摂り過ぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまうので、その点は注意が必要です。

β-カロテン

βカロテンは強い抗酸化作用をもつことから、がんや動脈硬化、老化などに効果を発揮してくれます。

またβカロテンの最大の特徴は、「体内でビタミンAに変換される」こと。

ビタミンAに変わったβカロテンは、視力維持、眼精疲労の回復、髪の健康維持、皮膚や粘膜を保護してくれます。

ナイアシン

ビタミンB群の一種。糖質、脂質、たんぱく質の代謝に欠かせないビタミンです。

また、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を助けたり、動脈硬化や認知症の予防にも役立ちます。

葉酸

ビタミンB群の一種で、たんぱく質や遺伝子情報をもつ核酸(DNA)の合成に関わっています。

またビタミン12と協力し合って赤血球の合成を助けます。貧血予防に重要な成分です。

さらに胎児の発育に不可欠なため成分で、不足すると胎児の脳や神経の発育に影響します。高齢者では、葉酸不足は認知障害の一つと考えられています。

主な健康効果

元気な家族

糖尿病予防

タラの芽に含まれる「エラトサイド」には、食後に上がる血糖値をおだやかにし、急な上昇をしないよう防ぐ働きがあります。

糖尿病の予防効果が期待されます。

高血圧予防

カリウムを豊富に含むタラの芽は、体内の余分な塩分を排出し、高血圧予防やむくみ改善効果が期待できる食材です。

胎児の先天異常の予防

タラの芽には比較的多くの葉酸が含まれています。

葉酸はDNAの合成に大切なはたらきがあり、胎児の成長に欠かせない栄養素。特に妊娠中や授乳中の女性は積極的に摂りたい食材です。

貧血予防

タラの芽には鉄分やたんぱく質、銅なども含まれているため、赤血球の生成を助ける造血作用があり、貧血予防が期待できます。

選び方、保存法は?

タラの芽の選び方、保存方法を紹介します。

選び方

Point1穂先が鮮やかな緑色をしたもの

新鮮で、味もいいです。


Point2

あまり大きく育ちすぎていないものがよい

タラの芽は大きく育ちすぎると、苦みやエグミが強くなります。

芽のつぼみ状のところが開き、3~5cmくらいの大きさのものがアクが少なく、食べやすいです。

スーパーなどで出回っているもののほとんどは栽培ものです。

栽培ものは天然ものに比べ、風味が落ちますが、苦味やクセがおだやかです。

一方、タラの芽本来の香りを楽しむには天然ものがおすすめ!

山菜採りが人気ですが、乱獲が原因で数が減っているといわれています。

採りすぎると枯れてしまうので、「先端から伸びる1番上の芽と、その横に斜めに伸びる2番の芽まで」にとどめ、来年も芽吹いてくれるようマナーを守ることが大切です。

保存法

タラの芽は、湿気にも乾燥にも弱いので、小さく穴を開けたポリ袋、またはキッチンペーパーや紙製の袋に包んで冷蔵庫の野菜室へ。

タラの芽はあまり日持ちがしません。2~3日のうちに食べきるようにしましょう。

まとめ

春を告げる食材の一つ、タラの芽。

タラの芽には、糖の吸収を抑制し、食後の急な血糖値上昇を抑える働きが期待できる成分「エラトサイド」が含まれており、糖尿病の予防効果が期待できる食材です。

春の季節感を味わいながら、血糖値にもよいタラの芽、季節限定ですがぜひ取り入れてください。