日本は特に地震や台風などの災害が多い国です。
そのため、どの地域の人も、いつ大きな災害に見舞われるかわかりません。
万が一に備えて、普段から準備しておくことが大切です。
目次
薬の準備
糖尿病の患者さんにとって、災害の備えで一番大切なものは薬です。
飲んでいる内服薬やインスリン、血糖自己測定器など一式を、最低一週間分、できれば二週間分以上、専用の薬入れケースに入れていつでも持ち出せるようにしておきましょう。
-糖尿病用医薬品チェックリスト-
□ 飲み薬
□ インスリン自己注射セット
□ 血糖自己測定器一式
□ 脱脂綿とアルコール
□ 低血糖用のブドウ糖
□ 糖尿病健康手帳
□ お薬手帳(または処方箋の写し)
□ 健康保険証のコピー
□ 体調を記録するためのメモ用紙と筆記用具
災害はいつ起こるかわかりません。
職場で被災した場合は自宅に帰れないこともあるので、職場にも予備の薬を用意しておきましょう。
また、いくら万全の用意をしても身一つになってしまうこともあります。自分が飲んでいる薬の名前を覚えておくようにしましょう。
災害時の薬で気をつけたいこと
大規模災害に巻き込まれたときは、食料の確保が難しかったり、治療薬を持ち出せなったりすることが多くなります。
加えて、医療機関や医師が被害を受けることもあります。
大至急、医師の治療やアドバイスを受けようと思ってもできないことが想定されるのが大規模災害です。
主治医以外の医師が診療しても適切に診断できるようにするための準備をしておくことが大切です。
◆1型糖尿病の人
1型糖尿病の場合、食べられなくてもインスリンが必要です。
注射の中断がないようにしましょう。
◆2型糖尿病の人
2型糖尿病の人は、災害時に必ずしも高血糖になるとは限りません。
被災地から逃げる時の長時間の歩行や荷物の片付けなどでたくさんのエネルギーを消費すると、いつもどおりに薬を飲んだり、インスリン注射をしたりすると、低血糖になる可能性があります。
その一方で、強いストレスによって高血糖の可能性が出てきます。
Point
- 薬を使用するタイミングや量の調節は、使っている薬や状況によって変わります。
食事時刻が遅れる場合や食べられない時の薬の使い方について、事前に主治医のアドバイスを受けておきましょう。 - 食事ができない場合や量が十分でない場合を想定し、保存食を用意しておきましょう。
薬との関係でいうと、栄養バランスよりエネルギー量を重視で。支援が届くまでの短時間であれば、ほとんど問題はありません。 - 大災害が起きると、薬の確保が難しくなります。できれば2週間分の薬を、常にすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
インスリンを使われる方は、注射器や針、消毒グッズなどの用意も忘れずに。 - 主治医以外の医師が診療しても適切に判断できるように、インスリンや飲み薬の名前と使用量、血糖値、HbA1c、血圧などの数値、合併症のデータなどを「糖尿病手帳」などに書いておきましょう。
- 大地震を想定して、全国の字自体で対策が講じられています。
インスリンなどの薬の供給体制がどうなっているのかなど、前もって調べておきましょう。
一般的な備え
大地震が近づいていると言われる今、最低一週間分、できればそれ以上の備えを用意しておきましょう。
-生活用品チェックリスト-
□ 非常食
□ 飲料水
□ 懐中電灯、電池
□ 携帯用ラジオ
□ 貴重品(現金(10円硬貨含む)、通帳やクレジットカードの番号)
□ 着替え
□ 筆記用具、メモ帳
□ ビニール袋
□ ウェットティッシュ
□ タオル類
□ 洗面用具
□ 簡易トイレ
□ 生理用品
□ 軍手
□ 雨具
□ シート
□ 予備のメガネ
□ 常備薬
□ 消毒液
□ 絆創膏
□ 体温計
□ マスク
※上記以外でも、必要なものを書き出し、用意しておきましょう。
災害時に備えて避難袋を作っておくとともに、家族と合流する場所、避難経路などもあらかじめいくつか決めておくことも忘れずに。
職場近くの避難所なども調べておきましょう。
避難所生活での注意ポイント
避難所生活が長くなると、食生活の偏りや、運動不足などが問題になります。
天気がよいときはウォーキングや、室内ではストレッチ、ラジオ体操などを心がけましょう。
ストレス解消にもつながります。
まとめ
大災害が起こると、「飲み薬やインスリン、血糖自己測定の溜めの機材がない」「食事が思うようにできず、血糖コントロールができない」など、様々な問題が起こります。
薬物療法をしている人は、そのような中であっても最低限の安全を確保できるように、日ごろからの準備が大切です。
しっかり備えておきましょう。