就職、就けない職業はある?

就職活動

糖尿病になると、将来について様々な不安を抱えられると思います。

その一つが、就職。

通常、一部を除き、糖尿病があることが理由で就けない職業はありません。

しかし、現実はいろいろ問題があります。

就けない仕事やリスクの高い仕事など、就職に関する情報を紹介したいと思います。

目次

就くことができない仕事

ダメ!インスリン療法を行っている人は、航空法の規定によってパイロットの仕事には就くことはできません。

また、バスや電車などの公共の乗り物の運転手など、人の命を預かるような職業については就職できないケースがあります。

リスクの高い仕事

法で定められているわけではありませんが、糖尿病の患者さんにとってリスクの高い職業です。

  • 生活が不規則になる仕事
    警察官や看護士など、就業時間が不規則になる職業は、血糖が管理しにくくなります。
  • 高所での作業を伴う仕事、火を扱ったり、水中での仕事
    低血糖を起こす可能性があり、万が一そうなった時、本人だけでなく、他の人の命や持ち物、建物などを危険にさらす恐れがあります。

もちろんこれらの職業に就けないわけではありません。

医師や看護士など、糖尿病の人もこの分野でたくさんの方が働き、活躍されています。

ただ、血糖が乱れやすい職業には、それなりのリスクがあり、覚悟と注意が必要です。

病気は告げたほうがいい?

学校の先生や友人たちには、いざという時のために話しておいたほうがいいと思います。

しかし就職に際しては、先方にそのことを告げたほうがいいのでしょうか。

周囲への告知ですが、調査(健康日本21推進フォーラム「ビジネスマン糖尿病実態調査:2009~2012年実施」より)で4割近くの人が「職場に糖尿病であることを告げていない」という結果も出ています。

その理由は、「糖尿病だと知られると仕事上マイナスが多いから」というものでした。

企業は、糖尿病であることを理由に採用を拒否することはできません。

しかし現実は、糖尿病であることが不採用の理由であっても、別の理由をつけて不採用にすることは十分にありえます。理由付けはいくらでもできます。

こういったことから、「言いたくない」と思う人も多いでしょう。

しかし、新卒で就職する場合には健康診断書の提出を求める会社も多く、黙っていてもバレてしまう可能性が高いです。

何より、入ってからつらい思いをし(「なぜ言わなかった」など詰問されたり、いやみを言われたり、仕事を任せてもらえない。健康管理をする時間がとれない、飲み会や食事を断れないなど)、居づらくて、最悪辞めなければならなくなるかもしれません。

近視などと違い、まだまだ多くの会社で糖尿病ということで不採用にしているところがあります。

その一方で、しっかりと対応をしてくれる会社もあります。そういった会社に入るほうが、血糖をコントロールしながら、仕事もしっかり打ち込んでいけるでしょう。

 面接時に大切なことは、

  • 通院は必要だが、普段と何も変わらず生活していること。
  • 業務には支障はないこと。

を必ず伝えましょう。

そして、本当にその会社に就職したいと思うのであれば、単に病気の説明や「大丈夫です」というだけでなく、どうしてその会社に入りたいのか、それに対し自分の病気が何ら影響を及ぼさないこと、何らかの影響がある場合はどう対処するかなど、しっかりと説明することが大切です。
また会社側が不安に思う点があればそれを聞き、それに対しどう対処するか、できるかについても答えらるように準備しておくことも必要です。

誰であっても不採用は辛いです。

それが、病気が原因であるかと思うとより滅入ってしまうと思います。

正直、どうすればいいのか、確かな答えはわかりません。

「業務には支障がない」ことをしっかりと伝え、それでも落とす会社はその程度の会社だと思って吹っ切るのがいい!

・・・といっても、1社や2社であれば我慢できても、なかなか決まらないとあせりや苛立ちも出てきますし、面接などで嫌な思いもするかもしれません。「ふっきればいい」といってもなかなか難しいと思います。

どういった業種に進むのか、などケースバイケースによるところも多いと思いますが、基本的にはきちんと病気のことを伝えたうえで採用してくれる会社に行くのがいいと思います。

就職しやすい職業は?

公務員の採用については、糖尿病であるかどうかは問題とされないので就職しやすい職業です。

また、インスリン関連の製薬会社は、優秀であれば採用しているそうです。

血糖コントロールが良好に保たれていれば、事務員からプロスポーツ選手まで、選択の幅は大きいものになります。実際、糖尿病でありながらプロスポーツ選手として活躍されている方はいます。

しっかり自己管理をし、よい血糖コントロールを維持することが何より大切です。

まとめ

がんばれ!!航空法によってインスリン治療をしている人はパイロットにはなれませんが、それ以外はほとんどの職業に就くことができます。

しかし、その仕事をするのに何の問題もないのに、病気が原因で不採用になる。不公平ですが、現実そのような場合の方がまだまだ多いです。

その一方で、糖尿病についてきちんと理解を示し、採用してくれる会社もあります。

ただしその場合も、

  • 血糖コントロールが良好であること。
  • 薬物療法をしている人の場合は、低血糖が起こる恐れが小さいこと。

が大切です。

しっかり自己管理をし、よい血糖コントロールを維持しましょう。