気をつけていても「うっかり薬をのみ忘れてしまうこと」ってありますよね。
そんな時どうすればいいか、飲み忘れた場合の対処法について紹介したいと思います。
目次
薬別対処法
薬別の基本的な対処法を紹介します。
食直前に飲む薬
α-グルコシダーゼ阻害薬
食事中に飲み忘れに気づいたら、すぐに服用してください。
この薬は食後の高血糖を抑えるために食前に飲む薬なので、食後に急いで飲んでも薬の効果は余りありません。食後に気づいた場合は、その回の服用は避けましょう。
速効型インスリン分泌促進薬
食事開始後に気づいた場合は、低血糖になる恐れがあるためその回の服用は避けましょう。
食前または食後に飲む薬
スルフォニル尿素剤(SU薬)
食前、食後の服用の違いによる効果に差がないので、食前に飲み忘れた場合は、食後すぐに服用しましょう。
また食後飲み忘れた場合、30分以内であれば気づいたときにすぐに、30分以上遅れた場合はその回の服用は避けましょう。
ビグアナイド薬
気づいた時点で服用してください。
ただし、次の服用が近い場合は服用は避けましょう。
朝食前又は朝食後に飲む薬
チアゾリジン薬(インスリン抵抗性改善薬)
作用持続時間が長時間のため、1日1回の服用になります。
昼までに飲み忘れに気づいた場合は、気づいたときに、それ以降は次の日に服用するようにしましょう。
その他
DPP-4阻害薬
1日1回、食事に関係なく服用でき、単剤の服用でしたら低血糖の心配も少ない薬になります。飲み忘れに気づいたときは、すぐに飲みましょう。
ただし、次の服用のタイミングが近い場合はその回の服用は避けましょう。
もし判断できない場合は、飲まないでください。
次に飲む時間に、その時に飲む量の薬を飲めばたいていの場合問題はありません。
ただし、絶対にやってはいけないことは、前回飲み忘れたからといって2回分を一度にまとめて服用することです。低血糖を起こすことがあり危険です。
糖尿病に限ったことではありませんが、医師はその患者さんの病状に合わせて、適切な薬の種類や量を考え処方しています。勝手な判断で服用のタイミングを変えたり、飲む量を変えたりしてしまうと、低血糖の危険性や薬の効果がなくなってしまうおそれがあります。絶対に止めましょう。
服用についてわからない時は、必ず、医師や薬剤師にご相談ください。
一口メモ:「食前」「食直前」「食後」の違いとは? お薬の服用時間のタイミングも重要です
「食前」「食直前」など、同じように思えますが、実は違います。飲むタイミングを間違えると、低血糖を起こしてしまったり、効果がでなかったりするので気をつけましょう。
- 食前
食事をはじめる前、約30分前に飲むこと。 - 食直前
食事の直前に飲むこと。
食事がすでに用意してあり、「いただきます」を始める前に飲むイメージです。 - 食後
食事を終えて、約30分以内に飲むこと。
ちなみに糖尿病の薬にはありませんが、「食間」に飲むというものもあります。
- 食間
食事と食事の間の空腹時間(食事を終えてから約2時間後が目安)に飲むこと。「食間」を食事中と勘違いされている方も多いです。気をつけましょう。
まとめ
薬は決められた種類と量をきちんと飲むのが鉄則です。
しかし、うっかりしていたということもありますよね。
そんな時は上記を参考していただけたらと思います。
ただし、絶対してはいけないことは、
- 前回飲み忘れたからといって2回分を一度にまとめて服用すること。
- 勝手な判断で服用のタイミングを変えたり、飲む量を変えたりしてしまうこと。
です。
お薬を飲み忘れた場合や食事がとれない場合、どのようにすればよいかあらかじめ主治医に確認しておきましょう。
また、お薬のことで疑問・不安がある場合も必ず医師や薬剤師の方にご相談ください。