ヤーコンって知っていますか?
まだあまり身近な野菜ではないので、なじみのない方も多いかも知れません。
私は名前だけは聞いたことがありましたが、知りませんでした。
このお野菜、実はすごいパワーを秘めているんです。
見た目はサツマイモのようですよね。
でも違うんです!
糖質が含まれていますが、でんぷんではなくほとんどがフラクトオリゴ糖。
フラクトオリゴ糖は、人間の消化酵素で分解されないので、血糖値を上昇させず、メタボ予防にもなります。また、オリゴ糖は便秘解消も期待できますよね。
低カロリーで、ダイエットにもおすすめ!
一般的になじみはまだまだないですが、ぜひ知って欲しいヤーコンについて紹介します。
目次
ヤーコンとは?
ヤーコンの原産地は、南米のアンデスの高地。
日本には1980年代にニュージーランドから入ってきました。
日本では目新しい野菜です。
ヤーコンは、キク科の根菜。
見た目や色、形はサツマイモに似ていますが、食感と味は全く違います。
ヤーコンは、ほんのり甘みがあり、梨のようなみずみずしさと、シャキシャキした食感が特徴です。
10~12月にかけて収穫され、食べごろは11~2月ごろまで。
血糖値の上昇を抑える「フラクトオリゴ糖」とは?
サツマイモなどはでんぷんが多く含まれていますが、ヤーコンはフラクトオリゴ糖と食物繊維でできています。
血糖値を上昇させるでんぷんはほとんど含まれていません。
そしてヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖は、ゴボウやタマネギと比較しても2~3倍以上あり、野菜の中ではダントツです!
主なフラクトオリゴ糖の働き
血糖値の抑制
フラクトオリゴ糖は、小腸で消化されず大腸まで到達します。
難消化性であるため、おだやかに吸収が進み、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。
腸内改善、便秘解消
腸内でビフィズス菌を増やし、腸の調子を整えてくれる働きがあります。
ミネラルの吸収を促進
フラクトオリゴ糖は、小腸で消化されず大腸まで到達し、ビフィズス菌など善玉菌を増やします。
ビフィズス菌が増殖すると有機酸が生成され、カルシウムやマグネシウムが溶けやすくなり、体内に吸収されやすくなります。
虫歯になりにくい
虫歯菌の栄養源にならないため、虫歯になりにくい性質があります。
また歯垢の原因となる粘着性の不溶性グルガンも作られません。
この他にも、血中総コレステロール、中性脂肪を低下させる働きなどもあります。
人間の消化酵素や消化器官では分解・吸収されにくい性質を持ち、整腸作用があるということで、血糖値の面だけでなく、ダイエットなどにもおすすめです。
主な栄養成分
ヤーコンには、フラクトオリゴ糖はもちろん、クロロゲン酸やカテキン、フラボノイドなどのポリフェノールや、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
-主な栄養成分-(100gあたり)
エネルギー | 54kcal |
炭水化物 | 12.4g |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.08mg |
カリウム | 240mg |
葉酸 | 25μg |
糖質 | 11.3g |
クロロゲン酸
含まれるポリフェノールの一つ、クロロゲン酸には、活性酸素を抑制する働きがあります。
老化防止やがん細胞の活動を弱める働きでも注目されている成分です。
カリウム
カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保つ成分です。
余分なナトリウムの排出を促して血圧を下げたり、腎臓からの老廃物の排出を促す作用もあります。
特に筋肉細胞に多く、筋肉の動きをよくする働きを持つミネラルです。
期待される主な健康パワーは?
血糖値上昇の抑制、生活習慣病の予防
ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖は、人間の消化酵素で分解されないため、吸収されることなく、大腸にたどり着きます。
そのため、食べても血糖値はほとんど上がりません。
また、コレステロール値を抑える働きやカリウムによって余分なナトリウムが排泄され、高血圧予防なども期待できます。
便秘予防・解消
ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖には、善玉菌であるビフィズス菌を増殖させる効果があり、腸の働きを整え、食物繊維と合わせて便秘予防・解消が期待できます。
動脈硬化の予防
ヤーコンにはポリフェノールが豊富。赤ワインなみに含まれています。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑え、血管の老化を防ぐ働きがあります。
そのため、動脈硬化の予防につながります。
むくみ予防・改善
ヤーコンに含まれるカリウムの利尿作用が体内の余分な水分や老廃物を排出し、むくみ解消のサポートになります。
ダイエット
ヤーコンには脂肪燃焼をサポートするクロロゲン酸が含まれています。ダイエットにつながります。
食べ方
サツマイモに似ていますが、味や歯ざわりはみずみずしい梨のようで、ほんのり甘みがあり、シャキシャキとした食感があります。
おすすめの食べ方
- サラダ
ヤーコンは生で食べられます。フラクトオリゴ糖は熱に弱く加熱すると減ってしまうため、サラダはおすすめレシピの一つです。シャキシャキとした食感を楽しみたいので、薄切りか千切りにして。 - サッと炒めてきんぴらに
食感を生かし、サッと炒めてきんぴらに。切って空気に触れると変色するので、少し水につけてアク抜きするといいのですが、このアクはポリフェノールなので浸けすぎないようにしましょう。
選び方・保存方法
ヤーコンの選び方、保存方法を紹介します。
選び方
全体がふっくらして、重みのあるものを選ぶ。
・手に持った時に表面が硬く張りがあるもの
・しっかりと重みを感じるもの
を選びまましょう。
柔らかく弾力を感じるようなものは鮮度が落ちています。
傷がないものを選ぶ。
皮に傷や変色がないものを選びましょう。
保存方法
保存する際は、新聞紙に包み、冷暗所か冷蔵庫に入れましょう。
フラクトオリゴ糖は置いておくと分解が進み、甘みが強くなります。
使いかけのものは、切り口をぴったりとラップで包み、冷蔵庫で保存。できるだけ早めに食べましょう。
ヤーコン茶とは?
ヤーコンは、秋~冬にかけて食べられる野菜で、残念ながら一年を通しては難しいです。
そこでおすすめなのがヤーコン茶。
ヤーコンの葉を乾燥させて作られるお茶です。
もちろんお茶のほうにも、フラクトオリゴ糖やフラボノイド配糖体をはじめ、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、食後の血糖値の上昇抑制や脂質代謝の改善などの効果があると言われています。
糖尿病や予備群、血糖値が気になる方におすすめのお茶です。
まとめ
見た目はさつまいものようですが、梨のようにみずみずしい野菜。
ほんのり甘みがあり、生でも食べられるのが特徴です。
フラクトオリゴ糖が豊富に含まれていることから「オリゴ糖の王様」とも呼ばれているヤーコン。
フラクトオリゴ糖は小腸で消化されず大腸まで届き、難消化性のため血糖値の急上昇を防いでくれます。
日本でも少しずつ流通が増え、スーパーなどで取り扱うところも出てきてはいますが、まだまだ身近な野菜にはなっていません。
ヤーコンは秋から冬にかけての野菜。
ぜひ見かけたり、シーズン中はインターネット通販を利用したりして、ぜひお試しください。