糖尿病といえば、肥満の方に多い病気のように思えますが、実はそうともいえないことがわかってきました。
痩せていても血糖値が高い方が意外と多いです。
食生活は個人差が大きく、食べ過ぎの人と栄養不足、食生活が乱れている人では改善の対策ポイントが異なります。
糖尿病や予備群、血糖値が気になる方は、食生活、生活習慣の改善・対策が必要ですが、タイプ別に気をつけたいポイントをまとめたいと思います。
目次
あなたはどのタイプ?
食生活は個人差が大きいです。
どのタイプに当てはまりますか?
□ 食欲がわかない。
痩せすぎ、低栄養タイプ
□ 間食がやめられない。
食べすぎ、肥満タイプ
□ 丼やラーメンなどオールインワン食や菓子パンなどで食事を済ませてしまう。
栄養バランス、食生活の乱れタイプ
タイプ別改善法
タイプにあわせた改善ポイントを紹介します。
痩せすぎ、低栄養タイプ
少食の人、食欲がない方は栄養不足になる心配があります。
例えばたんぱく質不足は筋肉量の減少を招き、筋力や体力が落ちると、転倒や少し重いものを持つのも大変になるなど、生活の質が落ちてしまいます。
また筋力や体力が落ち活動量が減ると、ますます食欲がなくなり・・・、と悪循環に陥ってしまいます。
栄養不足は様々な病気を招きますし、筋肉量が減ると活発な糖代謝ができず、糖尿病も改善しません。
たんぱく質を意識して食べる。
筋肉量や筋力を維持するために、筋肉のもとになる肉や魚、卵、大豆製品、乳製品など、たんぱく質を積極的に食べるようにしましょう。
食事の回数を増やす。
低栄養は命に関わる危険性が高くなります。1食で十分な量が食べられない場合は、医師や栄養士に相談・指導を受け、食事の回数を増やして摂取エネルギーをとるようにしましょう。
無理なく食べられるものを探す。
食欲がないから食べないではなく、食欲がなくても食べられるものを探しましょう。
体を動かすことを心がける。
活動量が減ると食欲も低下し、食事量が減る原因になります。
スポーツをしなくてもいいので、家事や買い物など、とにかく動くようにしましょう。
食べすぎ、肥満タイプ
食べ過ぎにより血液中にブドウ糖が増えると、すい臓のβ細胞は一生懸命インスリンを分泌しようとし、気づいたときにはβ細胞が疲れ、インスリンが作れなくなってしまいます。
結果、血糖値の上昇、高い血糖状態が続くことに。
2型糖尿病の場合、適正に体重コントロールができれば、インスリン抵抗性を改善できる場合が多いです。そうなれば、血糖値は下がり、上がり過ぎないようになります。
自分が摂り過ぎている物が何か把握し、減らす。
甘いものや脂っこいもの、ファーストフード、間食など、いつ、どんなものを、どれくらい食べているかチェックし、摂り過ぎているものは減らしましょう。
例えば、毎日間食する人は止める。食べる量をこれまでの8割にするなど。
野菜の小鉢などを1品追加する。
食物繊維が豊富な野菜を最初にしっかり食べると、食欲が落ち着き、満腹が得られやすいので、食事全体の量を満足を得られながら抑えることができます。
また野菜やきのこなどの食物繊維を食事の最初に食べることで、食後の血糖値の上昇を抑えることもできます。
夜、就寝前の食事は避ける。
夜摂った糖質はエネルギーとして消費されず、余った糖質は体内で脂肪に変えられます。
夜は昼間より脂肪組織での脂肪合成が進みやすいことがわかっています。つまり、肥満のもとです。
また食事をし、血糖値が高い状態のまま就寝することになり、すい臓に負担がかかります。
理想は夜8時ごろまでに食事を終えること。仕事などで難しい時は、寝る3時間前までには食事を済ませましょう。
それでもどうしても難しい場合は、夜6時か7時ごろに少し食事をし、家に帰ってからは血糖値を上げにくい軽食を少し食べるようにするといいと思います。
お茶碗を変える。
おかわりをしたり、大盛りのごはんに慣れていた人にとって、これまでと同じお茶碗では物足りなく感じてしまう人も多いと思います。
そんな時は、今まで使っていたお茶碗を変えてみるのも方法の一つです。
お茶碗を、口径が広くて浅いものにすると、視覚的に量がたっぷり入っているように見え、満足感が得られやすくなります。
栄養バランス、食生活の乱れタイプ
食事の時間が不規則になったり、食事を抜いたり、簡単な食事で済ませたりする方は、摂取エネルギーは足りていても、高血糖や低栄養の原因になりやすいです。
できるだけ規則正しく、栄養バランスを考えた食事を摂るようにしましょう。
毎食、主食だけでなく、主菜や副菜をつける。
ご飯やパン、めん類など、オールインワン食は炭水化物(糖質)に偏りやすいです。
主菜や副菜をつけ、栄養バランスのいい食事になるようにしましょう。
朝食をきちんと食べる。
朝食を食べない習慣の人もいますが、血糖コントロールが難しくなります。
朝食を抜いて昼まで食べない方は、遅くなった朝食や昼食を食べたとたんに血糖値が急激に”ドン”っと上がってしまいます。
朝の食事はとても大切です。
といっても、これまで朝食を摂っていなかった人の場合、いきなり朝食をといっても食べられないこともあるでしょう。そういう場合は、夕食の量を減らしながら朝食を食べるように移行し、朝食を食べる習慣をまずつけるようにしましょう。
人と食事をするようにする。
一人の食事が多いと、簡単な食事で済ましてしまったり、早食いになったりしてしまいます。
できれば誰かと一緒に食事をする機会を持つようにしましょう。
宅配食を活用しよう!
糖尿病や予備群など病気がある場合、細かいカロリー計算や栄養バランス、使ってはいけない食材などいろんなことを考えた上で調理しないといけないので、毎日作るのは大変ですよね。
私の家でも、父が境界型(糖尿病予備軍)と診断された時、母が何とか家で作ろうとしましたが、いろいろ計算しなければならないですし、食材チェック、おいしく、レパートリーも偏らないように・・・
次から次へと考えたり、チェックしたりしないといけないことがたくさんあり、かなりの負担でした。
でも病気が進行してほしくないからどうにかしようと。
最初は宅配食をお願いすることは全く考えていなかったのですが、ここは思い切ってと利用してみました。
これが大正解!!
今も母の手料理が中心ですが、宅配食は数ヶ月持つので冷蔵庫にストックして、忙しいときや出かけていたときなどに食べています。
宅配食、もったいなく思われる方もいらっっしゃると思いますが、ずっと続けなくてもいいですし、忙しいときなど冷凍庫にストックしてあれば電子レンジで数分温めるだけで、症状にあった食事がすぐに食べられます。
メリットもとても多い宅配食。おすすめです。
できることから始めることが大切!
糖尿病の発症の誘因は、多くの場合、食生活、生活のなかにあります。
生活習慣の中のその誘因となった点を治していくことが大切です。
糖尿病や予備群と診断されると、医師や医療スタッフから改善のために一度にたくさん説明を受けます。どれも耳に痛いこと、うれしくないことばかりで、病気の不安とともに気がめいってしまうと思います。
説明されたことをすべて同時にできればいいのですが、大抵の場合はできないですよね。
続けられなくて、結局止めてしまう。これが糖尿病治療にとって一番ダメなことです。
しかし、あれもこれもとなると、結局何からどうすればいいかパニックになると思います。
父の時もそうでした。
「それ食べちゃダメ」
「食べたらすぐに運動しなきゃ!」
「タバコ吸ったらダメって言ったじゃない」
あれだめこれだめ、あれしろこれしろ・・・
母も母で、血糖値を上げないための食材選びから調理の仕方など、これまたパニック。
家族みんなでパニックでした。
もうイヤになって、あきらめて放り出したくなるんですよね。
そこでとりあえず落ち着こう、そして「これだけはしよう」ということを決めよう。
それから落ち着いて少しずつ改善していけるようになりましたね。始めは宅配食は考えてなかったんですが取り入れました。
まずはできること1つずつでも始めることが大切です。それこそ改善の大きな第1歩です。
ただ、医師から「これだけはすぐに始めてください」という指示があった場合は、それは緊急性が高いものなので、しっかり取り組みましょう。
まとめ
糖尿病発症の大きな誘因となる食事。
しかし同じ糖尿病患者さんでも、必ずしも食べすぎ、肥満が原因ではありません。
自分が日ごろどういった食事スタイルをしていて、何がダメなのかを考え、直していくことが大切です。
ここでは、大きく3つ、
- 痩せすぎ、低栄養タイプ
- 食べすぎ、肥満タイプ
- 栄養バランス、食生活の乱れタイプ
のタイプに分け、それぞれの改善ポイントを紹介しました。
それぞれのタイプ別注意ポイントを参考にしながら、少しずつ改善していきましょう。