合併症のリスクを下げる対策:おいしく、塩分を控える方法

糖尿病の食事療法では、高カロリーの油や砂糖を抑えるとともに、食塩の使用量も控えるのが原則です。

カロリーの面では問題はないのですが、食塩の過剰摂取は高血圧などの合併症のリスクを高めるからです。

高血糖と高血圧が合わさると血管が硬くもろくなり、動脈硬化の危険が高まります

また、塩分の多い食事は食べすぎを招きがちで、肥満の原因にもなります

目次

目標は1日10g以下

塩

生活習慣病予防の点から、塩分は、健康な人でも、男性は1日9g以下、女性は7.5g以下を、高血圧で治療が必要な人は6g未満を目標にしましょう。

これには、みそやしょうゆなどに含まれている塩分も計算に入ります。

ちなみに、欧米諸国やWHOは1日の食塩摂取量は5g以下を目標にしています。

しかし、日本では昔からみそやしょうゆの食文化があり、厚生労働省の基準は高めになっています。

それでも日本人を摂り過ぎの傾向なので、減塩が必要です。

濃い目の味付けに慣れている人は、食事療法を始めてしばらくの間は、味が薄くて物足りなく感じるかもしれません。しかし、続けているうちに必ず慣れてきて、素材本来の風味や味わいを楽しめるようになります。

体のために減塩しましょう。

減塩テクニック

減塩 減塩とはいえ、単に塩分を減らして薄味にすればいいということではないです。それでは食べる楽しみがなくなってしまいます。

大切なことは、料理のおいしさを引き出すこと。

調理や調味を工夫して、上手に減塩することが大切です。

おすすめ減塩テクニック

新鮮な旬の食材を使う。

新鮮な旬の食材は、味付けを控えても、素材そのものの持ち味でおいしく食べられます。

天然の食材でとっただしを使う。

こんぶやかつお節、煮干し、干ししいたけなどうまみが料理にコクをプラスしてくれます。薄味でも満足できます。

※市販のだしにはナトリウムが含まれているものもあるので表示に注意しましょう。

香辛料や香味野菜、風味の強い食材で味にアクセント!

カレー粉やとうがらし、コショウ、わさび、しょうが、青じそ、ねぎ、みょうが、ハーブなどを上手に使うと、味にアクセントがつき、減塩してもおいしくいただけます。

酢やかんきつ類などの酸味を加える。

酢、レモンやゆず、かぼすなどのかんきつ類の果汁、トマトやパイナップルなどの酸味をプラスすると、味が引き締まり、塩分を減らします。

焼き物や和え物など、素材を味わう料理によくあい、またその香りも楽しめます。

減塩・低塩調味料を活用する。

塩分含有量を抑えたしょうゆやみそ、ソースなどが市販されています。それらを活用することで自然と減塩できます。

※減塩ですが、塩分ゼロではないので使いすぎに注意しましょう。

塩味は表面だけにつける。

調味料は表面に絡んでいる方が味を濃く感じます。

味付けを仕上げの直前にすることで、少量の塩分でも物足りなさを感じにくくなります。

肉加工品や魚肉練り製品は必要最小限にする。

ハムやソーセージ、かまぼこ、はんぺん、さつま揚げなどは塩分が多め。保存ができるように塩を多く使っているものが多いです。これらはできるだけ控えるようにしましょう。

肉や魚は生の素材を使って調理するのがベターです。

麺類のスープは残す。

麺類のスープには塩分が多く含まれています。

飲んでしまうと、1日の塩分摂取量の半分以上、ものによってはそれだけでオーバーしてしまいます。スープは残すようにしましょう。

しょうゆやソースなどはかけずにつける。

しょうゆやソースなどは、直接料理にかけるのではなく、小皿に入れて必要な量をつけて食べるようにすると塩分のとりすぎを抑えることができます。

※ポン酢など市販の調味料の中には、塩分は抑えてあっても砂糖が多く含まれているものもあるので成分表示を確認しましょう。

まとめ

糖尿病の方は高血圧のリスクが高くなります。

高血糖に高血圧が合わさると動脈硬化の危険性がいっそう高まり、脳梗塞や心筋梗塞など命の危険にもつながりかねません。

合併症を招かないように塩分摂取にも気をつけましょう。