夏バテ防止に最適といわれる、夏が旬な野菜「オクラ」。
オクラといえば、なんといってもネバネバが特徴的なお野菜ですよね。
このネバネバに血糖値の上昇を抑えてくれるパワーが詰まっているって知っていますか?
食後高血糖が気になる方におすすめの野菜、オクラについて紹介します。
ぜひ食事に加えてくださいね。
目次
オクラとは?
アフリカ東北部原産。
エジプトでは2000年前から栽培されていたそうです。
日本へは幕末にアメリカから入っていきました。
寒さに弱い植物で、日本では一年草ですが、熱帯気候で育つオクラは多年草になります。
一般的には角がとがった五角種のものが多いですが、大型で丸いものや果皮の赤いものもあります。
日本では主に鹿児島県や高知県で作られているオクラ。
生のままでも食べられますが、サッとゆでると口当たりがよくなります。
サラダ、スープ、和え物、炒め物、揚げ物などバリエーションがいっぱい!いろんな料理が楽しめるお野菜です。
ネバネバが糖対策に有効!
オクラがなぜ血糖値を下げる食べ物なのかというと、オクラ特有のネバネバがポイント。
オクラのネバネバが糖質や腸壁をコーディングしてくれるおかげで、吸収がゆっくりとなり、血糖値の上昇を抑えてくれます。
そのネバネバの正体は水溶性食物繊維のペクチンやムチン、ガラクタンなどの成分です。
水溶性食物繊維は、整腸効果、血糖値上昇の抑制、悪玉コレステロールの吸収を抑える働きがあり、糖尿病予防、糖対策になります。
ペクチン
水溶性の食物繊維で、腸内の有害物質を包み込んで排出してくれます。
余分な糖質やコレステロールの吸収を抑えたり、遅らせたりする働きがあるので、血糖値や血中脂質が高めの方におすすめです。
ムチン
ムチンは、胃粘膜の保護し、消化を促進します。特に胃炎や胃潰瘍の予防に役立つといわれています。
またたんぱく質の分解酵素を含んでおり、たんぱく質の消化を助ける働きもあります。
その他の栄養素
オクラには、血糖値上昇を抑えてくれる働きを持つ水溶性食物繊維以外にも、さまざまな栄養成分が詰まっています。
-主な栄養成分-(100gあたり)
エネルギー | 30kcal |
炭水化物 | 6.6g |
食物繊維 | 5.0g |
カリウム | 260mg |
カルシウム | 92mg |
マグネシウム | 51mg |
マンガン | 0.48mg |
βカロテン | 670μg |
リン | 58mg |
葉酸 | 110μg |
パントテン酸 | 0.42mg |
糖質 | 1.6g |
カリウム
カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保つ成分です。
余分なナトリウムの排出を促して血圧を下げたり、腎臓からの老廃物の排出を促す作用もあります。
特に筋肉細胞に多く、筋肉の動きをよくする働きを持つミネラルです。
カルシウム
体内のカルシウムのうち約99%は骨と歯の材料に使われます。骨を生成する上で欠かせない成分です。
残りの1%は、血液凝固や筋肉の収縮、酸素の活性化、ホルモンや神経の情報伝達などに使われます。
βカロテン
オクラにはβカロテンがレタスのおよそ3倍以上も含まれています。
βカロテンは強い抗酸化作用をもつことから、がんや動脈硬化、老化などに効果を発揮してくれます。
またβカロテンの最大の特徴は、「体内でビタミンAに変換される」ということ。
ビタミンAに変わったβカロテンは、視力維持、眼精疲労の回復、髪の健康維持、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。
葉酸
ビタミンB群の一種で、たんぱく質や遺伝子情報をもつ核酸(DNA)の合成に関わっています。
またビタミンB12と協力し合って赤血球の合成を助けます。貧血予防に重要な成分です。
さらに胎児の発育に不可欠なため成分で、不足すると胎児の脳や神経の発育に影響します。高齢者では、葉酸不足は認知障害の一つと考えられています。
主な健康効果
糖尿病予防
切ったり刻んだりした時に生じるオクラの粘りは、食物繊維のペクチンやガラクタンなどです。
この独特のネバネバ成分が、糖質やコレステロールなどを包み込み、さらに腸壁をコーティング。その結果、吸収がゆるやかになり、血糖値の上昇を抑えてくれます。
また、有害物質の排出を促す働きもあります。
これらの働きにより、糖尿病をはじめ、生活習慣病全般の予防に効果が期待されています。
消化促進、疲労回復
粘りのもととなる成分であるムチンには、胃粘膜を保護して胃腸の機能を高める作用があります。
また疲労回復効果も。
夏バテ回復に特におすすめです。
肝臓の炎症を抑える
オクラのポリフェノールには、抗酸化作用があります。
肝臓の中で様々な炎症性物質が出ると肝臓の機能が低下してしまいますが、オクラのポリフェノールが肝臓の炎症性物質を抑えてくれます。
調理する時の注意ポイント
オクラはヘタを切って調理すると栄養成分が出てしまいます。
ヘタは切り落とさず、かたい部分を面取りすると、栄養成分を逃さず食べられます。
うぶ毛が残っていると口当たりが悪いので、調理前に塩をふってまな板の上で転がす「板ずり」を忘れずにしましょう。
ネバネバを最大限に引き出すには?
オクラはいろんな料理に使えますが、食後血糖値を抑えるには、ネバネバであればあるほどいいです。
ネバネバを最大限に出すには、
- ヘタも丸ごと細かく切る。
玉ネギのみじん切りぐらい、とにかく細かく刻むことが大切です。 - オクラのネバネバ成分は水溶性食物繊維なので、水に浸すことで溶けて外により出やすくなります。理想は3時間。
- サラダなどにかけたり、お出汁と合わせて食べましょう。
ネバネバ成分は細胞壁の内側にあります。細かく切ることで細胞壁が壊れ、中からネバネバ成分が出てきます。
選び方、保存法は?
オクラの選び方、保存方法を紹介します。
選び方
ヘタが黒ずんでいないもの。
ヘタが黒ずんでいるものは古くなっている可能性があります。
なるべく濃く鮮やかな緑色のものを選びましょう。
うぶ毛が多く、小ぶりのもののほうがおいしい。
大きいサイズのものはかたいことが多いので、7~8cmの小ぶりで、うぶ毛が細かく、やわらかそうなものを選びましょう。
保存法
そのまま入れるのではなく、ビニール袋やラップに包んで冷蔵庫に保存。早めに使い切りましょう。
すぐに食べない時は、固めに塩ゆでをし、水きをきって冷凍保存してください。
まとめ
オクラといえば、独特のネバネバ成分。
このネバネバ成分が糖質やコレステロールを包み込み、吸収を抑え遅らせ、また体外に排出してくれるの、血糖値の上昇が緩やかになります。
糖質も、100g中1.6g。
血糖値が高めの方、気になる方におすすめのお野菜です。
オクラのおいしい食べ方はいろいろありますが、糖対策としてはネバネバを最大限に引き出して食べること!そのためには細かく刻むのがポイントです。
糖尿病や高めの血糖値が気になる方は積極的に摂りたい野菜の一つです。