糖尿病の治療は、患者さん自身が行うセルフケアがとても重要です。
しかし、一人だけで立ち向かい続けることは大変なことです。
家族にとっても心配であり、治って欲しい、進行しないで欲しいと願わずにはいられません。
家族ができる、家族だからこそサポート。
どんなことに気をつければいいか、心がけたいことをまとめてみました。
目次
どんなサポートをすればいい?
精神的な支柱に!
糖尿病と診断されると、患者さんの多くはショックを受け、落ち込んだり、不安になったりします。
「一生治らない病気」と知ると、そのショックは相当のものだと思います。
そんな患者さんの心を支えて穂いいのがご家族の方です。
ご家族の方も相当のショック、不安、心配されると思います。
しかし、やはり一番つらいのは患者さん本人です。
患者さんの多くは、治療をはじめた頃は、検査で良かったり悪かったりで一喜一憂します。「一喜」の時は、家族もうれしく、一緒に喜ばれると思いますが、良くない時は患者さんと一緒になって「一憂」してはダメです。
父も最初はうまくコントロールができませんでした。
いきなりこれまでと生活習慣を変え、続けられるかというと難しいことも多いですし、少し良くなると油断してしまうこともあります。また、この食べ物は血糖値を上げにくいというものも、多くの人はそうであってと、患者さん本人にとっては上げてしまうことがあります。
いろんな情報がありますが、最終的には糖尿病の患者さん本人にとってどうなのかということ。患者さん本人にとって良くなければそれは良くないです。
患者さん自身にとって何が良くて、何をしてはダメなのかがわかってくるまでにはどうしても時間がかかります。
その間、検査結果が良かったり悪かったりします。
たとえ良くなかったとしても、努力しているのであれば、次の検査結果が良くなるように一緒にがんぱろう!と前向きになるような言葉で支えてあげてください。
糖尿病は一生付き合っていく病気なので、神経質になり過ぎないようにしましょう。
家族も一緒に取り組もう!
糖尿病の食事療法や運動療法で指導されることは、基本的に特別なものではありません。
どんな人であっても食べすぎはダメですし、炭水化物(糖質)の摂り過ぎは良くないです。食べ方を変えるだけで血糖値を上げにくくなります。動脈硬化は誰でも多かれ少なかれ年とともに起こることなので、それをできるだけ抑える、血糖値を急激に上げない食べ方は大切です。
禁煙ももちろん健康にとって大事です。
運動は、骨粗鬆症や寝たきりにならない、ストレス解消、質のいい睡眠など、いいことがいっぱい!
糖尿病患者さんだけの特別なことでは全くありません。
私の家では、家族みんなで野菜やきのこなどの食物繊維やチーズから食べるようになり、白米から雑穀米に変えました。
といっても父ほどしっかり行っていませんし、スイーツを食べることも、ファーストフード、ラーメンなども大好きです。
すべてがすべて一緒にできなくても、父が行っていることは健康になるポイントがいっぱい詰まっているので、父だけ特別なことと思わず、できることは家族みんなも取り入れるようにしています。
そうすることで、家族も健康につながりますし、調理の手間も省けるので一石二鳥です。
緊急時の対応策を知っておこう!
血糖コントロールが極めて悪いと高血糖性の昏睡を起こすことがありますし、また薬物療法を行っている場合、何らかの理由で薬の効果が強く出ると低血糖を起こしてしまいます。
また、風邪やインフルエンザなど様々な病気になり、血糖コントロールがうまくいかないシックデーもあります。
昏睡やけいれんなど、患者さん本人では対応できない状態になっていることがあり、適切な対応が取れなければ命の危険もあります。
そのような時に遭遇した時、どのような対応をしたらいいか、事前に主治医や患者さん本人から正確な情報を聞いておき、冷静に対応できるように日ごろから備えておくことが大切です。
患者さんが治療にやる気を見せない時は?
病気をあまくみていたり、忙しさにかまけてなかなか治療をしっかり行わない方もおられます。
ご家族は心配し、ハラハラ、イライラされること、よくあると思います。
でも、そんな時、怒ったり、非難したりしても、ほとんどの場合、効果ないですよね。
患者さん本人にとっては耳が痛いことだけによけい反発し、へそを曲げてしまうことが多いです。
家族ができることとしては、食欲に負けてしまう場合は食べ物を見えるところに置かないとか、ヘルシーだけど腹持ちのいい料理などお腹がすきにくいものや、骨付き肉などの食べにくいもの、糖質制限されたもの、途中で何か食べたいといった時はアーモンドやクルミにするなど、少しでも改善につながることを、さりげなく行うのがいいのではないでしょうか。
それから、家族で抱え込まず主治医や医療スタッフなどに相談しましょう。
がんぱり過ぎないこと!
患者さんのサポートを家族だけで何とかしようするとうまくいかないことがあります。
家族にも大きな負担になってしまいます。
そうなると、家族の絆、人間関係も悪くなってしまいますし、患者さんにとってもつらい状態に追い込まれ、治療もうまくいきません。
今は、宅配食など様々なサービスがありますし、「友の会」など、同じ悩みを持つ人の集まりがあり、自分では思いつかなかった様々なアドバイスや解決のヒントがもらえます。なにより、悩みを抱えているのが自分だけでないとわかることだけでも気持ちが楽になります。
糖尿病は一生付き合っていく病気なので、家族の皆さんも神経質になりすぎたり、気負いすぎても長続きしません。
糖尿病は血糖コントロールがうまくいけば、改善や進行を抑えることができるので、忙しいときは宅配食を活用するなど、サービスやサポートなども活用し、がんぱり過ぎないことが大切です。
まとめ
糖尿病の治療は、患者さん自身が行う日々のセルフケアがとても大切ですが、家族が果たす役割りも大きいです。
-糖尿病の患者さんを支える4つのポイント-
- 糖尿病のことをよく知り、治療のことや体調不良の日と対処法を知っておく。
- 患者さんに必要なサポートについて知っておく。
- 長く付き合っていく病気なので、神経質にならず、長い目で患者さんの精神的な支柱に。
- 家族やサポートする人も背負いすぎず、様々なサービスやサポートを活用する。
家族が病気になるととても心配です。
しかし、糖尿病は長く付き合っていく病気。
ご家族の方のサポートは必要ですが、ご家族の方が倒れてしまっては大変です。
がんぱり過ぎず、困ったり心配なことがあったり、悩みがあるときは抱え込まず、主治医や医療スタッフなどに相談しましょう。