糖尿病治療の目的と内容とは?

損なわれたすい臓の機能は元に戻ることはほとんどないため、一度糖尿病になってしまうと治ることはありません。

こう聞くと、落ち込んだり、悲観したりするかもしれません。

 が、しかし!

糖尿病で最も怖いのは合併症を起こすことです。

これは、血糖コントロールによってリスクを下げることができます。

糖尿病の治療とは、まさに合併症を防ぐこと!といえます。

血糖コントロールができ、合併症を防げれば、普通に生活ができます。

目次

治療の基本

糖尿病の治療の基本は、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」です。

◆食事療法

糖尿病の治療の中で最も重要なのが食事です。

糖尿病になると、食事で取り込んだ糖質をうまくエネルギーに代謝できず、血糖値が高くなり、すい臓に負担をかけてしまいます。

そこで、主にカロリーや糖質を制限しながら、栄養バランスを考えた食事をとり、血糖値の上昇をコントロールします。

◆運動療法

まず、運動療法は、糖尿病の原因である肥満解消に最適です。

内臓脂肪が増えると、太った異常な脂肪細胞ができ、インスリンの働きを悪くするホルモンを分泌します。

運動をして肥満が解消され、脂肪細胞が減ると、今度は逆にインスリンの効きをよくするホルモンが分泌されます。

さらに筋肉を使うことで、インスリンの働きをよくしたり、血糖値を下げるなどの効果があります。

一方、糖尿病の人の中には、特別太っていないという人もおられるでしょう。

しかし、40歳過ぎた頃から基礎代謝が急激に下がり、ブドウ糖の消費が減ってしまいます。

そこで重要となるのが運動です。

運動をすることで筋肉がつき、筋肉量が増えると基礎代謝が上がるので、減った分のエネルギー代謝を補うことができます。

◆薬物療法

食事や運動だけでは血糖コントロールが難しい人には、薬物療法が行われます。

薬物療法には飲み薬と注射があり、糖尿病の進行状態などによって使い分けられます。

ただし、薬物療法を行うことになっても、食事&運動療法は必要です(※合併症によっては運動が制限される場合があります)。

血糖コントロールで進行を止める

糖尿病の治療は、高い血糖値をできるだけ正常に近い数値に戻し、すい臓の負担を減らすことが目的です。

自覚症状がない場合でも、糖尿病と診断された時点ですい臓の機能は健康な人の半分くらいまで低下していると考えられます。

この状態で高血糖が続くと、すい臓は血糖値を下げようとインスリンを分泌し続け、さらに疲れて機能が低下してしまいます。

治療をせずに放っておくと、すい臓がインスリンを分泌することも難しいほど機能が低下し、インスリンを外から注射して補うほかに方法はなくなってしまいます。

そして、高い血糖値が続くことで合併症を引き起こします。

糖尿病と診断されたらすぐに治療を開始し、血糖コントロールをしっかり行うことが健康のために重要です。

まとめ

糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくてもすぐに治療を行う必要があります。

治療の柱は、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」。

すい臓の負担を減らす血糖コントロールが重要です。

血糖値が高い状態のまま放置すると、重篤な合併症が現われます。

合併症を予防、進行させないためにも、しっかりと治療を行いましょう。