「境界型(糖尿病予備軍)」とは、「正常型」と「糖尿病型」の中間にある人です。
糖尿病型ではないことから、安堵したり、軽く考えたりする人が多く見られますが、それはとても危険!「境界型」だから安心なのではなく、「危険な領域に入ってしまった」と考えることが重要です。
家族など、血縁関係のある人に糖尿病の人がいる場合は、遅かれ早かれ「糖尿病型」に移行する恐れがかなり高いです。
目次
動脈硬化を進行させる恐れ大!
動脈硬化を促進させる原因は様々ありますが、そのひとつに「インスリン抵抗性」があります。
インスリンの働きがスムーズに行かない状態にあると、動脈硬化を促進させてしまいます。
「境界型」は糖尿病ではないものの、インスリン抵抗性がある状態なので、糖尿病の人と同様に進行してしまいます。
動脈硬化が進むと、血管が狭くなったり、血栓で血管が詰まったり、いろいろな臓器で深刻な病気を引き起こします。
心臓では狭心症や心筋梗塞、脳では脳梗塞や脳出血、胸や腹部の大動脈で瘤ができたり。
また、大腿部の動脈が詰まると、足の血流が悪くなって間欠性跛行という歩行障害や、足に血が通わなくなり壊疽が起こることもあります。
「正常型」に戻ることもある?
「境界型」の場合、薬物療法は行われません。
治療の基本は、食事療法と運動療法です。
適切な対応をすれば、糖尿病を発症した人よりも簡単に正常な状態に戻ることも可能です。
特に肥満がある人は、肥満を解消するだけで「正常型」に戻ることもあります。
糖尿病は過食や運動不足といった生活習慣や肥満と密接な関係を持っています。
まずは、生活習慣の改善を心がけましょう。
ただ、「境界型」の場合、医師による定期的な指導や検査を受けない人が多いため、病気を進行させてしまう恐れが高いです。
定期的な検査を受け、糖尿病に移行させないようにしましょう。
特に糖尿病の遺伝子のある人や肥満のある人は、より一層注意が必要です。
病院に行くのは面倒で「また、今度」となりがちですが、先延ばしをせず、しっかり定期的に検査を受けましょう。
父の場合
私の父は、2014年に「境界型(予備群)」と診断されました。
当初父は「糖尿病じゃないし」と、軽く考えていましたが、幸い、同僚で糖尿病の方がおられ、強く怒られたそうです(^^;
糖尿病がどんなに大変か、境界型は正常型になる可能性が高いんだから、徹底的に食事と生活を見直すようにと強く、強く、進言してくれました。
当時父は仕事の関係で睡眠不足とストレスが強い状態でした。
たまたま定期の健康診断の時期がよく、境界型の段階で見つけることができたんです。
治療に当たっては、食事と生活習慣の改善でした。
父の食事量は普通でしたが、飲酒と喫煙、糖質が多い食事、運動不足が問題に。
あと、食後の血糖値スパイクです。
改善のためにいろいろ始めましたが、そのことはブログ内の該当項目の中でお話していきたいと思います。
いろいろ難儀したり、今も試行錯誤中ですが、なんとか今のところうまくいっていて、正常になっています。
糖尿病の本に書いていましたが、境界型は正常型にもどることができるというのはほんとなんだなと思いました。
最初に叱ってくれた同僚の方に感謝です。
いまも家族みんなで気を抜くことなく、日々の生活を送っています。
「境界型」と診断されたら、悲観し過ぎず、楽観的にならず、しっかりと食事や生活を見直し、改善に取り組んでください。
父と同じく、正常型に戻る道はあります。
また、正常型にならなくてもあせらないでください。
進行を抑えることはできます。
あきらめないことが大切です。
定期検査が受けられない時は
食事や生活改善とともに重要なのが定期検査です。
「境界型」の方の中には、まだまだ重大な事態に陥っているという危機感を持っておられない方が多いです。
そのため定期検査を怠る方も。
これは本当に危険!
定期検査をしっかり受けることが何より大切です。
しかしどうしても都合がつかないということもあります。
そんな時は、糖尿病血液検査キットを活用するのもおすすめです。
薬局(ドラッグストア)で簡易検査する方法
2014年規制緩和が行われ、薬局(ドラッグストア)で糖尿病の簡易検査を行えるようになりました。
医療機関での血液検査と違い、簡易であるため検査項目が少なく、また採血は自分で行わなければなりません。
しかし、事前予約不要で、短時間で手間なく行うことができ、体の状態をチェックできます。
まだ実施している薬局(ドラッグストア)は少ないですが、
などで受けられます。
※詳細は公式HPでご確認ください。
自宅でできる血液検査の方法
残念ながら近所にない、顔を見合わせるのはちょっと・・・、という方におすすめなのが、自宅でできる血液検査です。
自宅で血液1滴を採取し、検査機関に送るだけ!
提出から数日~数週間で検査結果がメールや郵送で届きます。
→ ほんのわずかな血液でできる在宅血液検査キット「DEMECAL(デメカル)」
とても便利な検査ですが、これらはあくまで簡易検査です。
そこは忘れないでください。
ただ、病院で検査するのが一番だけど時間がないとき、そんな時に自宅でできる血液検査は役立ちます。
ぜひご活用ください。
まとめ
「境界型」はすでに危険領域です。
特に、糖尿病の遺伝子がある人や肥満の人は高い確率で移行する可能性があります。
2型糖尿病の場合、基本的に「境界型」の段階を経てさらに悪化し、発症します。
「境界型」のまま続く人もいますし、正常に戻る人もいますが、遺伝子的素因やその後の生活習慣次第で、糖尿病に移行する恐れは少なくありません。
また「境界型」の場合、血中脂質や血圧などが高い状態が平行して起こっていることが多いです。
その状態が続くと、動脈硬化が進行したり、脳卒中や虚血性心疾患が起こったりする恐れがあります。
健康な人に比べて危険度が高いことがわかっています。
まだ正常な状態に戻りやすいので、しっかりと食事療法や運動療法を行いましょう。