肥満(メタボ)型糖尿病は、とにかく痩せること!なぜ?

肥満

糖尿病といえば”肥満”をイメージされる方、多いと思います。

しかし、近年、一見痩せているのに糖尿病や予備群であるという方が結構いるということがわかり、痩せている方の糖尿病がピックアップされることが多くなっています。

ただやはり何といっても、肥満が原因の糖尿病の方はとても多いです。

2型糖尿病は、間違いなく肥満と深いかかわりのある病気です。

特に内臓脂肪。

内臓脂肪のそれぞれの脂肪細胞が大きくなると、インスリンの働きをよくする物質が減り、抑える物質が分泌され、糖尿病を発症・進行させてしまいます。

実際、メタボ(肥満)型糖尿病の方が痩せたところ数値がよくなったというケース方がとても多いですし、テレビの糖尿病改善番組で肥満の方がダイエットしたら、血糖値が改善しているところをよく見ます。

とにかく太っているなら、肥満を解消すること!

痩せることが重要です。

そのためにもまず、自分が肥満かどうかチェックして見ましょう。

目次

タイプは?

肥満には、脂肪がどこについているかで2つのタイプがあります。

内臓脂肪

リンゴ型肥満内臓脂肪は、上半身、主にウエストまわりに脂肪がつくタイプで、お腹がぽっこりと出るので、「りんご型肥満」とも呼ばれます。

健康への悪影響が大きく、その90%の人に糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が見られます。

ただ、内臓脂肪は溜まりやすい一方で、体がエネルギー不足になると率先して使われるため、減量すればするほど減っていってくれるといううれしい特徴があります。

皮下脂肪

洋ナシ型肥満皮下脂肪は、主に腰やお尻、太ももなど下半身に脂肪がつくタイプで、下半身太りになりやすいことから、「洋ナシ型」とも呼ばれます。

健康のためにはある程度の量が必要で、比較的健康障害は少ないのが特徴。

男性よりも女性に多くついていますが、これは妊娠や出産に備えるため。増えすぎるのは問題ですが、ある程度なくてはならないものです。

ただし、多すぎると体重が増え、お尻や太ももなどに脂肪の塊「セルライト」ができる美容上の問題や、関節痛、睡眠時無呼吸症候群などを起こします。

ダイエットしてもなかなか減りにくい脂肪です。

一口メモ:第3の危険な脂肪!?最近注目を浴びているのは、危険な第3の脂肪といわれている「異所性脂肪」です。

異所性脂肪とは、筋肉や肝臓など、本来ついてはいけないところについてしまう脂肪のこと。

血栓の原因になったり、糖尿病などを起こしやすくなったり。危険な脂肪として注目を集めています。

太っているかチェック法

電卓、計算機太っていることを気にしますが、そもそも「肥満」とは何でしょう。

標準体重よりも重い状態?はてな?

・・・ではないようです。

肥満かどうかは体重の数値ではなく、体の中の【体脂肪の割合】が決め手です。

BMI指標

肥満の判定方法はいくつかありますが、国際的な指標の一つに「BMI(ボディー・マス・インデックス、体格指数)」というものがあります。

身長と体重から計算します。

BMI指数=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 例えば、身長158cm、体重58kgの方の場合は、

58(kg)÷1.58(m)÷1.58(m)=23.233 → BMIは23

となります。

日本肥満学会の診断基準として、

-BMI診断基準-

やせ18.5未満
普通体重
18.5以上25未満
肥満度125以上30未満
肥満度230以上35未満
肥満度335以上40未満
肥満度440以上

と定めており、身長158cm、体重58kgの方の場合、BMIは23となり、「普通体重」です。

ちなみに、BMI指数が「22」のときが最も病気になりにくいといわれています。

2大原因

肥満になる大きな原因は、「食べすぎ」と「運動不足」です。

食べすぎ

暴飲暴食、栄養の偏り肥満の方でまず問題になるのは、エネルギーの過剰摂取。食べすぎです。

暴飲暴食、高脂肪食、早食い、まとめ食い、間食・夜食はNG!ダメ!

控えましょう。

運動不足

肥満、太った日常の活動や運動で消費するカロリーより、食事で摂取するエネルギー量が多すぎると、余った分が脂肪細胞に蓄積され、脂肪がたまる一方。肥満になってしまいます。

また、呼吸や血液循環、体温を保つなど、生命維持のために最低限必要なエネルギーを「基礎代謝」といいますが、この基礎代謝が小さい場合は太りやすいです。運動不足で筋肉が少ないと、基礎代謝量も減ってしまいます。

その他、ストレスや遺伝などもかかわっています。

肥満と糖尿病の関係は?

脂肪組織は脂肪を蓄える組織ですが、その他にも重要な物質を分泌する働きがあります。

その一つが、超善玉ホルモンの「アディポネクチン」です。

アディポネクチンには、動脈硬化の進行を抑え、インスリンの働きをよくする作用があります。

内臓脂肪が少なく、脂肪細胞が小さいとアディポネクチンの分泌が増え、糖尿病の発症もしにくくなります。

逆に、内臓脂肪が増え、脂肪細胞が大きくなってしまうと、アディポネクチンの分泌が減り、悪玉ホルモンである「TNF-α(ティーエヌエフアルファ)」や「IL-6」などが分泌されてしまいます。

これらにはインスリン抵抗性を強める作用があり、糖尿病を発症・進行しやすくしてしまいます。

まとめ

2型糖尿病は、肥満と密接なかかわりを持っています。

中でも、内臓脂肪。

内臓脂肪が増え、脂肪細胞が大きくなると、インスリンの働きを抑える物質が分泌され、糖尿病を発症・進行しやすい状態になってしまいます。

とにかく肥満の方は、”痩せること”が重要です。