白内障は、目の水晶体が白く濁って視力低下を招く病気です。
お年寄りの病気と思われがちですが、糖尿病の患者さんの場合、若くても白内障になる可能性があります。
目次
白内障とは?
白内障とは眼の中にあるレンズ(水晶体)が濁ってきて視力が低下する病気です。
「白内障は老化現象」といわれるほど、白内障の約70%は加齢による老人性白内障です。60歳を過ぎてくると多くの人が白内障であるといわれています。
ただ加齢が原因の場合は、進行が比較的緩やかなため、最初は気づかないという方も多いようです。
そのほか、糖尿病や重度のアトピー性皮膚炎や長期のステロイド内服なども白内障の要因とされています。
糖尿病白内障とは?
糖尿病の合併症として発症する「糖尿病白内障」には、2つの種類があります。
真性糖尿病白内障
長期間に及ぶ高血糖が主な原因で起こる白内障。
若年者でも高血糖が続くことにより発症し、進行のスピードも速いのが特徴です。
仮性糖尿病白内障
老化現象のひとつである加齢性白内障が併発して起こる白内障。
詳しいメカニズムはまだわかっていませんが、糖尿病性の白内障の場合は、長期にわたって高血糖が続くことで水晶体にソルビートが蓄積し、それが濁りのもとになる物質をつくりだし起こるといわれています。
主な症状
白内障の主な症状です。
- もやがかかったように見える。
- 物がぼやけて見える。
- 光がまぶしく感じる。
- 薄暗いところでは文字が見えづらい。
- ピントが合わない。
目が疲れたときなどにも見られる症状ですが、上記の症状が見られる場合やいつもと違うと感じる場合には、早めに医師に相談しましょう。
治療法は?
白内障が軽いうちは、進行を抑える目薬での治療が行われます。
しかしこの治療では、完治することはほとんどありません。
根本治療するには手術が必要です。
以前は1時間近くかかっていましたが、最近の白内障手術は短時間かつ侵襲の少ない方法で行われています。局所麻酔をし、十数分程度。日帰りでの手術も可能です
適切に手術を受ければ、視力は回復します。
手術できないこともある?
血糖コントロールがよくない場合、手術合併症のリスクが高まるため手術できないことがあります。
重度の糖尿病の患者さんは細菌などに対する抵抗力が弱く、感染症を起こすリスク、傷が化膿するリスクが高いです。
また手術による傷の治りも遅いため、もし感染症を起こすと、失明につながる恐れがでてきてしまいます。
そのため、基本的にはまずは血糖コントロールの改善が優先され、しっかり血糖コントロールが行えるようになってから手術が行われるます。
予防法
糖尿病性白内障にかかわらず、合併症の予防、改善には、血糖コントロールをしっかり行うが大切ことです。
血糖コントロールができないと、様々な合併症を引き起こしてしまいます。
糖尿病性白内障についても高血糖が要因であるため、食事、運動、投薬を医師の指示に従ってきちんと行い、血糖値のコントロールを続けていくことが大切です。
また白内障については、紫外線対策も大切です。
日傘やサングラスで、目に紫外線が入らないようにしましょう。
- UV加工されたもの。
- できるだけ顔を覆うような大きさ。
- 色は薄いほうがいい。
紫外線対策のサングラスというと、黒いものを使用される方が多いですが、これば間違いです。
目は暗くなると光を入れようとして瞳孔が開いてしまいます。瞳孔が開くと、それだけ顔とレンズの隙間から入ってくる紫外線が目の中に入りやすくなってしまい、白内障などの引き金になってしまいます。
注意しましょう。
まとめ
糖尿病を患っていると若い人でも白内障を発症するリスクがあり、発症すると進行が早いという特徴があります。
白内障は発症してしまうと、根本治療には手術しかありません。
しかし、手術も血糖コントロールがきちんと行われていないと、手術合併症のリスクが高まるため手術できないことがあります。
予防、そして発症後の手術においても重要になってくるのは「血糖コントロール」です。しっかりと食事対策、運動、禁煙、投薬などをきちんと守り、適切な血糖値コントロールを行いましょう。
そして気になる症状があれば早めに医師にご相談ください。