食物繊維を豊富に含むもち麦。
食後の血糖値を穏やかにするだけでなく、次の食事にも効果が持続するもち麦は、生活習慣病の予防やダイエットに期待できると、今、注目を集めています。
毎日の食事に摂り入れたい、もち麦のパワーを紹介します。
目次
もち麦とは?
大麦には、「もち種」と「うるち種」の2種類あり、もち麦は「もち種」の一種です。
やわらかく、モチモチ、プチプチした食感で、大麦の中でも水溶性食物繊維のβ-グルカンが最も多いのが特徴。
雑穀にありがちなクセのある味やパサつき感がなく、調理も簡単!白米に混ぜて炊いたり、茹でてスープやサラダに入れたり、手軽に食べられます。
いつものメニューに加えるだけで、不足しがちな食物繊維を手軽に摂り入れられるのがもち麦のよさです。
食後血糖値の急上昇を抑える!注目の2つの成分とは?
食後の血糖値を緩やかにすることが期待できる、うれしい2つの成分がもち麦にはたくさん含まれています。
食物繊維
もち麦には、ブドウ糖の吸収速度を緩やかにし、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐ働きをもつ食物繊維が多いのが特徴です。
野菜の中でも食物繊維が多いといわれているゴボウの2倍以上!
・もち麦 12.9g
・ゴボウ 5.7g
β-グルカン
大麦の中で最も多く水溶性食物繊維「β-グルカン」を含有するもち麦。
β-グルカンには、糖質や脂質の吸収を遅らせる働きがあります。
そのため、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌を抑えることができます。
食物繊維、β-グルカンの働きで、消化吸収のスピードが遅くなり、血糖値の上昇を緩やかになります。
そうすると、インスリンが余分なブドウ糖を脂肪として体に蓄える働きも抑えられるため、糖尿病や高めの血糖値が気になる方だけでなく、ダイエットとしたい人にもおすすめです。
セカンドミール効果
もち麦に含まれるβ-グルカンの働きの中で注目したいのが「セカンドミール効果」です。
β-グルカンで包まれた糖質や脂質は、小腸の中でじっくり時間をかけて吸収されます。
そのため、もち麦を食べた際の食後の血糖値の上昇を緩やかにするだけでなく、食欲を調整する働きが次の食事まで続きます。
例えば、朝食にもち麦を食べると、昼食時の血糖値を緩やかにするする効果が期待でき、さらに夜になっても完全になくなりません。
食べた直後の食事だけでなく、その次の食事にも効果をもつ「セカンドミール効果」をもつ食べ物のひとつがもち麦です。
セカンドミール効果をもつ食べ物を朝食に摂る習慣をつけると、糖尿病の予防・改善、ダイエットにより効果が期待できます。
もち麦パワーとは?
もち麦には、食後の血糖値の上昇を緩やかにするパワーがあるだけでなく、他にも健康&美容によいパワーがたくさんあります。
コレステロール値を下がる
それにより、血中のコレステロールが肝臓で分解され、コレステロール値が正常値まで低下します。
便秘解消
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収してふくらみ、便のカサを増やしたり、腸壁を刺激して排便を促す働きがあります。
一方、水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。
この2種の食物繊維をしっかり摂ることでお通じがよくなり、腸内環境が整います。
しかし、不溶性食物繊維は野菜や豆などをしっかりと食べていれば不足しにくいのですが、水溶性食物繊維を多く含む食材はあまり多くありません。そのため、意識して摂らないとなかなか摂れない成分です。
そんな水溶性食物繊維が、もち麦には多く含まれています。
腸内が改善し、便秘が解消すると、美肌や免疫力アップなどにもつながります。
早食い防止、肥満予防
またもち麦は噛みごたえがあり、腹持ちもがよいので、食べすぎを防ぐことができ、その結果、肥満、メタボリックシンドロームの予防につながります。
腸内環境をよくし、免疫力アップ
水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やしたり、腸内の免疫細胞を刺激し、免疫力を高める働きがあるといわれています。
腸内環境がよくなることで、免疫力がアップします。
高血圧を抑える
また、もち麦などの大麦にはカリウムが白米の2倍含まれており、体内の余分なナトリウムを排出して血圧を下げる助けをしてくれます。
注意!
もち麦も”麦”の仲間なので、小麦グルテンとは異なる種類のグルテンが含まれています。
一口メモ:グルテンとは?小麦や大麦に含まれるたんぱく質の一種。
食物アレルギーの原因のひとつになっています。
小麦と大麦では異なり、症状が出るかでないかわかりませんが、グルテンアレルギーがある方は、まず医師にご相談ください。
また、もち麦には便通などをよくするなどのパワーがあることがわかっていますが、そのパワーを期待していきなりたくさん食べるのは止めましょう。体の調子を確認しながら、少しずつ増やしていくようにしてください。
一気に短期間にではなく、長く続けていくことが大切です。
おいしい食べ方
もち麦は雑穀にありがちな独特のクセのある味やパサつき感がありません。
そのため白米に混ぜて炊いても、茹でたもち麦をスープやサラダに混ぜてもおいしいです。
手作りスイーツや和菓子などに加えてもOK!食物繊維豊富なヘルシーなおやつが作れます。
いろんな料理に活用できるのももち麦の魅力の一つです。
「もち麦ごはん」の作り方
ポイントは、白米を炊くときよりも水加減を多めにすることです。
「もち麦ごはん」は冷凍も可能です(保存の目安:3週間)。
-作り方(5割炊き)-
- 白米1:もち麦1の割合で用意する。
例)白米:180ml(1合)、もち麦:180ml(1合) - 白米はいつもと同じように洗い、水かげんも同じ。
- もち麦とその2倍の量を用意する。
【ポイント!】
加えるもち麦の2倍量の水を用意すること。
例)もち麦180ml(1合)の場合は、水360ml - 白米が入った炊飯ジャーに、もち麦と水を加え、軽く全体を混ぜ、30分ほど浸水させる。
【ポイント!】
もち麦は吸水性が悪いため、必ず30分浸してください。大切な作業です。 - 普通に炊く。
- 炊き上がったら底から返すように混ぜてほぐす。
※もち麦は好みで割合と変えてください。
初めてなら、白米7:もち麦3(3割炊き)から始めるのがおすすめです。
白米2合を水かげんし、もち麦1合+水360ml加えると、大体3割炊きになります。
【ご飯の栄養価比較(茶碗1杯(150g)あたり)】
カロリー | 食物繊維 | |
白米ごはん | 252kcal | 0.5g |
3割炊きもち麦ごはん | 241kcal | 2.4g |
5割炊きもち麦ごはん | 229kcal | 4.3g |
「もち麦キューブ」の作り方
冷凍すると3週間を目安に保存できるので、手軽に作り置きできる「もち麦キューブ」のつくり方を紹介します。
-作り方-
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸いたらもち麦150gを入れる。
【ポイント!】
もち麦はゆでると、約2.5倍にボリュームアップします。ゆでる量に注意! - 煮立つくらいの火加減で、約15~20分ゆでる。
- ざるに上げて湯を切り、水(流水でもOK)で洗ってぬめりをしっかり取る。
【ポイント!】
ぬめりを取らないと、後でくっついて固まってしまいます。 - 水気をしっかり切って製氷皿に入れ、冷めてから冷凍する。
※製氷皿に入れなくても、密閉できる保存容器に入れ、完全に冷ましてから冷蔵庫や冷凍庫に入れてもOKです。
保存の目安は、冷蔵で4~5日、冷凍で3週間程度。
おすすめポイント!
- 下ゆでしてあるので、いろんな料理にすぐ使える。
スープにもち麦キューブを入れて朝食に。忙しい朝にぴったり!
アイデア次第でいろんな料理に活用できます。
基本情報
もち麦の基本情報です。
味・風味
もちもち、プチプチした食感。
ほのかに甘みがあります。
調理法
お米と一緒に炊いて雑穀ご飯や、下ゆでして様々な料理にトッピング。
保存法
直射日光を避けて常温で保存。
茹でたものは密封して、冷蔵庫で4~5日、冷凍で3週間を目安に使い切りましょう。
一口メモ:注目のもち麦!「スーパー大麦(バーリーマックス)」オーストリア連邦科学産業研究機構によって開発された新種の大麦。
食物繊維と難消化性でんぷんの含有量を増やしたものです。
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ほのかな甘みがあり、ゆでて料理に使えます。
血糖値が気になる方におすすめの食材です。
まとめ
食後の血糖値上昇を穏やかにしてくれる食物繊維、β-グルカンを豊富に含むもち麦。
食べた直後だけでなく、その後の食事にも効果が期待できる(セカンドミール効果)というパワーもあります。
そのため、まずは朝食に摂り入れたい食材です。
その他にも、
- コレステロール値を下がる
- 便秘解消
- 早食い防止、肥満予防
- 腸内環境をよくし、免疫力アップ
- 高血圧を抑える
などの健康パワーも!
もちもち、プチプチした食感でクセがなく、食べやすいので、白米に加えたり、スープやおかず、スイーツなどに加えたりと、バリエーション豊富に活用できます。
おいしく食べているうちに、生活習慣をサポート!
最近は、お近くのスーパーなどで手軽に購入できるようになってきました。
健康に、ダイエットに、体にいいことがいっぱい詰まったもち麦を、ぜひ食事に加えてみてください。
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もち麦は食品です。
これを食べれば糖尿病の改善にというものではありません。
またすべての方に効果を保証するものでもありません。