糖尿病やその予備群、血糖値スパイクが起きている方(心配の方)が絶対に行わなければいけないのが食事対策です。
制限や様々な工夫が必要です。
その一つが食べる順番。
まず、野菜やきのこなどの食物繊維をしっかり食べてから、肉や魚など、そして最後にご飯を食べます。
血糖値を上げにくい食べ方としてよく紹介されるのですが、中でも食物繊維をしっかり食べることが特に強調されます。
しかし、実は最初に食物繊維をしっかりと食べるのと同様、最後に食べるご飯もとても重要なんです。
このご飯の食べ方が血糖値スパイクに大きく関わってきます。
どうすれば抑えられるか、血糖値スパイクを防ぐためのお米の選び方、食べ方を紹介します。
目次
白米、玄米、雑穀米の違いは?
お米といっても様々な種類があります。
お米の種類によって栄養素やカロリー、糖質は大きく異なってきます。
まずは白米、玄米、雑穀についてどんなお米が見てみましょう。
白米
糠と胚芽が取り除かれた白米の栄養素は炭水化物のみです。
カロリーがあるが、栄養素がない。そのほとんどがデンプン(糖質)のため血糖値を上げやすいです。
玄米
玄米はビタミンB1・ビタミンE、カリウム・たんぱく質・食物繊維が豊富で、なんとビタミンEは白米と比較すると1200%の含有量!
人間の健康に必要な栄養素がほとんど含まれていることから、玄米は『完全栄養食』とも言われています。
雑穀米
食物繊維、カルシウム、鉄分などのミネラルが豊富に含まれています。
白米も雑穀米も玄米もカロリーは変わらない?
次に、100gあたりのご飯のカロリーを見てみましょう。
白米 | 252kcal |
玄米 | 248kcal |
雑穀米 | 248kcal |
白米も雑穀米も玄米も糖質量は変わらない?
続いて、糖質量を見てみましょう。
-ご飯1杯(150g)あたりの糖質量-
白米 | 55.2g |
玄米 | 51.5g |
雑穀米 | ※商品によって異なります。 |
糖質量についても大きく変わりません。
ちなみに角砂糖1個の糖質量は約4gといわれています。
ということは、白米は角砂糖13~14個に匹敵します。そう考えるとぞっとしてしまいますよね。
雑穀米を食べるメリットとは?
その理由がここにあります。
詳しく見ていきましょう。
GI値が低い
食後の血糖値の上昇度を示す指標としてGI値(グリセミック・インデックス(glycemic index))があります。
食品の炭水化物50gを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖を100として、1から100までの相対値で表しています。
この数字が高いほど食後に血糖値が上がりやすく、低いほど血糖値はゆるやかに上昇し、インシュリンの分泌も抑えられます。
では早速、白米、玄米、雑穀米のGI値を見てみましょう。
-白米、玄米、雑穀米入りご飯のGI値-
白ごはん | 85 |
玄米ごはん | 55 |
雑穀米入りご飯 | 55前後 |
※雑穀米入りご飯の場合は、入っている雑穀の分量にもよります。一般的には玄米と同等のGI値になるといわれています。
白米に比べて、玄米も雑穀米入りご飯もグッとGI値が低く、食後の血糖値の上昇抑制が期待できます。
GI値が低い方が糖質が体内に取り込まれてからブドウ糖に分解されるまで時間がかかり、血液中のブドウ糖も少しずつ増えるため、血糖値の上昇がゆるやかになります。
血糖値スパイクが気になる方にとって、血糖値が上がりにくい玄米や雑穀米入りご飯はそれだけで積極的に利用したい食品ですね。
栄養価が高い
白米に比べて、食物繊維やビタミン、ミネラル、アミノ酸、ポリフェノールなど、様々な栄養成分が豊富です。
食事で不足しがちな栄養素が摂れます。
噛む回数が増える
雑穀の中には食感が硬いものやもちもちしたものがあり、消化吸収のためにもよく噛む必要があります。
この”よく噛む”ことで、血糖値の上昇を抑制する効果が期待できます。
また、よく噛むと満腹感が得られるため食べ過ぎを防止にもつながります。
玄米や雑穀米を食べる際、気をつけたいポイント
しかし、気をつけておきたいポイントがあります。
消化器の働きが弱い方は控えた方がいい。
雑穀米は白米に比べて消化が悪いです。白米を食べるような感覚で食べてしまうと消化不良を起こしてしまう可能性があります。
よく噛んでゆっくり食べることが大切です。
しかし小さいお子さんや消化器の働きが弱い方は避けられた方がいいかもしれません。
また健康に問題がない方も、身体が弱っている時などは控えて、消化のよいものを食べましょう。
アレルギーの方は注意!
雑穀米にはいろんな種類の穀物が入っています。
どのようにブレンドされているかは商品によって異なります。
アレルギーをお持ちの方は原材料をしっかり見て、問題ないか必ずチェックしてください。
食べ過ぎに注意!
白米に比べ玄米のGI値が低いといっても、食べ過ぎてしまっては関係なくなってしまいます。
雑穀米にしても玄米にしても、カロリーも糖質量も高いので、食べすぎには注意しましょう。
食べ方にも工夫しよう!
血糖値が上がりにくい食べ方を紹介します。
ゆっくり食べる。
「満腹」を決めるのは、”胃”ではなく”脳”です。
10分ぐらいで食べ終えてしまうと、脳は「満腹」を感じることができず、食べ過ぎの原因になります。
おかずからゆっくり食べることで、最後に炭水化物(糖質)が入ってきてもすぐに吸収されないようになりますが、早食いしてしまうとあっという間に炭水化物(糖質)が吸収されてしまい、血糖値が急上昇。血糖値が急上昇すると、身体は血糖値を下げようとすい臓がインスリンを大量に分泌し、急降下。この急降下によってまたすぐにお腹がすいてしまいます。
急上昇、急降下という血糖値スパイクは、血管を傷つけます。
食事をする際は、
・よく噛んでゆっくり食べる。
・炭水化物(糖質)の食べる量を抑え、できるだけ食事の終わりのほうに食べる。
と、満腹感が得られるとともに腹持ちもよくなります。
結果、その後、ドカ食いをしたり、間食したりすることがなくなり、血糖値スパイクを防ぐことにつながります。
20分以上かけてゆっくり食べましょう。
ご飯は食べ始めてから15分過ぎてから!
「お汁物、おかず、ご飯、おかず、ご飯・・・」
と、おかず・お汁物とご飯を交互に繰り返し食べていませんか?
小さい頃、この「三角食べ」をするように言われた方も多いと思います。
しかしこの食べ方は、血糖値スパイクを防ぐには
血糖値スパイクを起こす原因になります。
食事をする際は、まず食物繊維が豊富な食べ物をしっかり食べ、続いて肉や魚などのおかずを食べ、ご飯は最後。早くてもおかずを3分の2を食べてから食べるようにしましょう。
そうすることで、食物繊維や油を含んだおかずで胃の出口が阻まれ、炭水化物(糖質)が身体に吸収されるのに時間がかかり、血糖値の上昇が緩やかになります。
ご飯は「食事を始めて15分を過ぎてから」&「おかずの3分の2以上食べてから」です。
油でコーティングする。
そこで、オリーブオイルやエゴマ油などの不飽和脂肪酸を多く含む油を使ってコーディング。油で包まれたご飯は、消化吸収のスピードが緩やかになり、血糖値の急上昇が防げます。チャーハンとかいいですね。
もちろんお米自体にではなく、おかずに油を使えば同じ効果になります。
油を摂るとカロリーが増えてしまうのではないかと心配があるかもしれませんが、油を使うことで腹持ちがよくなり、間食や次の食事をドカ食いしないといったことにつながり、結果的に血糖値を抑えたり、太りにくくなったりします。
食物繊維と一緒に食べる。
ご飯を炊く際に、寒天やしらたきなど食物繊維豊富な食べ物を加えるのもおすすめです。
また、食事を始める際に、野菜やきのこ、海藻など、食物繊維が豊富に含まれる食べ物をしっかり食べることも血糖値の急上昇を防ぐ食べ方の一つです。
冷やごはんで食べる。
炊きたてのごはんはとてもおいしいものですが、血糖値の面からみると、冷えたご飯のほうが血糖値の上昇はゆるやかになります。
ご飯は冷えるとでんぷん質が「レジスタントスターチ」というでんぷんに変わります。
「レジスタントスターチ」とは、「消化されにくいでんぷん」という意味。
冷えて「レジスタントスターチ」が増えたご飯は、小腸で吸収されるのに時間がかかり、血糖値が上がりにくくなります。
オールインワン食、かき込み系食は避ける!
早い段階で糖質を食べてしまうと身体に吸収されやすく、血糖値を急上昇させる原因になります。
またオールインワン食やかき込み系食はあっという間に食べてしまいます。早食べは血糖値が急上昇し、さらに腹持ちも悪いです。
対策としては、例えば牛丼やとろろご飯、納豆ごはんなどはご飯の上に直接かけるのではなく、ご飯と具を別にしましょう。
カレーライスやパスタなどは、先にサラダをしっかり食べ、ゆっくりと食べるなどの工夫をすることで、血糖値の上がりやすさを少しでも抑えていくことができます。
手軽でおいしいオールインワン食やかき込み系食を、別のお皿に分けたり、20分以上かけてゆっくりゆっくり食べるのはなんとも言いがたいですが、血糖値のことを考えると、そうした工夫はとても大切です。
その中で、実際にやってみて大変なのが「ゆっくり食べること」と「ご飯は15分過ぎてから」です。
20分は結構長い・・・
そもそもバタバタしていて、ゆっくりご飯を食べる時間をとれないことも多いです。
また小さい頃からの習慣で、どうしても「おかず、ごはん」の繰り返しで食べてしまいます。
父にはできるだけ後からご飯を出すなどの工夫を母がしていますが、懐石を食べるようにといっても実際はなかなか難しいですね。
忙しい朝などは、朝食を食べる30分ほど前に、食事に含まれる糖の吸収を穏やかにする働きがある難消化性デキストリンがを入れたお茶や、伊藤園「緑茶習慣」を飲んでおき、着替えなどの準備をして朝食を食べるようにしています。
伊藤園「緑茶習慣」については、水でもお湯でも溶けるので、忙しいときや外出先とかでも重宝します。
どんな工夫をしてもお米を食べると急上昇してしまう体質の方がいる!
厳しい糖質制限をされている方とお話したことがあります。
その方はお米が大好きで、何とか食べたいと、量を減らすのはもちろん、お米の種類を変えたり、冷えたご飯にしたり、チャーハンなど油でお米をコーティングしたり、血糖値を急上昇させにくい食べ方があると聞くと必ず試されたそうです。
しかし、どんな食べ方をしても基準値を超えてしまう。
食べ方の違いで、例えば300だったり、200だったり、高さの上下はあるけれど、上がりにくいものでも基準値(140)はどうやっても超えてしまうということで、結果的に糖質制限食となり、ご飯(お米)は一切食べていないのだそうです。そうしないと自分の身体を守れないとのことでした。
ネットでも同じようなことを書かれている方がいました。そうした体質の方はいらっしゃいます。
またすでにインスリンの働きが失われている糖尿病の方の場合、糖質の量が多いと低GI食品でも血糖値が基準値以上に上昇してしまう危険性が高いです。
どんな方法も最終的には自分の身体ではどう反応するかです。血糖自己測定器でチェックされることをおすすめします。
おすすめのお米
私の家でも食べているおすすめのお米を紹介します。
◆くまもと風土「国産三十三雑穀米」
こだわりの熊本県産100%「発芽玄米」をはじめ、もち麦、押し麦、アマランサスなどに加え、さらに栄養価の高い黒ごま、白ごま、金ごまも入っています。
しかも原料はすべて純国産!
いつものご飯に加えるだけでGI値が低くなり、糖の吸収がゆっくりになります。高めの血糖値、血糖値スパイクが気になる方におすすめの一品です。
定期コースは、初回からず~っと50%OFF!の1,500円。送料無料!継続回数縛りがないので、合わない時は購入1回でも解約できます。
まとめ
食べ物を食べるとどんなものでも血糖値は上昇します。
その上昇の仕方を緩やかにするための対策が必要です。
Point
- GI値が低いものを選ぶ。
- 血糖値を急上昇させないための食べ方の工夫。
- 糖質を控える。
お米でいうと、白米は糖質です。すぐにエネルギー源になってしまうので、血糖値を急上昇させてしまいます。
そこで食べる量を減らすだけでなく、血糖値の上昇抑制が期待で消えるGI値が低い玄米や雑穀がおすすめです。
特に雑穀は、いつものご飯に混ぜていつもどおり炊くだけなので、調理の手間がかからず取り入れやすいです。さらに食物繊維も摂れ、消化のためにゆっくりと食べないといけないので、自然と血糖値を上げにくい食べ方になります。
ここで紹介した食べ方は、糖尿病や血糖値スパイクが心配な方だけでなく、大人になるとどんな方でも未来の健康のために取り入れて欲しい食べ方です。
さらに、血糖値スパイクを起こさせない食事法は、ダイエットにもつながります。
血管が傷つくと万病の元!
病気の方は早急に、健康な方は未来のためにぜひ取り入れてください。