お酢【血糖値を下げる効果が期待できる食べ物】

食事の時、まず何から食べますか?

最近はテレビの健康番組で「野菜から食べよう!」とよく話されているので、野菜からという方も多いと思います。

食後高血糖を抑えるために野菜やきのこなど、食物繊維から食べ始めるのは

他にもおすすめなのが、今回ご紹介する「お酢」です。

食事と一緒に摂ることで、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。

「お酢はすっぱくて苦手・・・」という方もおられると思いますが、お酢は種類が豊富!血糖値を抑えてくれる成分はどのお酢(※一部除く)にも含まれていますし、熱に強く、冷やしても大丈夫なのでいろんな料理に使えます。

お酢は昔から健康に良いといわれてきましたが、さらに研究が進み、科学的に解明されたこともあり、一層注目を集めています。血糖値の上昇をおだやかにしてくれるというパワーもその一つです。

お酢の秘めたパワー、食後高血糖を防ぐ食べ方など紹介します。

目次

お酢とは?

お酢が初めて文献に出てくるのは、なんと紀元前5000年前。

メソポタミア南部(後のバビロニア)で、ナツメや干しぶどうを利用して作られていたそうです。

はじめて日本にお酢の醸造技術が伝わったのは、4~5世紀ごろといわれています。

日本でも古くから親しまれてきた調味料です。

つくり方

  1. 米や麦、とうもろこし、りんご、ぶどうなど、糖質を含む穀物または果実を原料とし、それをアルコール発酵させ、一度お酒にします。
  2. できたお酒に酢もと(仕込み液)を加えると、酢酸菌の力でアルコール成分が酢酸に変わります。
  3. さらにそこから寝かせて、熟成させます。

こうして酢酸発酵させた液体調味料がお酢です。

お酢の主成分である酢酸は熱に強く、沸点は117~8度。加熱して水が蒸発しても酢酸の栄養は残ります。

この酢酸が血糖値の上昇を抑えてくれます。

食後高血糖を防いでくれる「酢酸」パワー!

お酢の主成分は「酢酸」。

いわゆる、酸っぱい成分のことです。

お酢の種類は豊富で、種類によって効果が変わりますが、どのお酢であっても共通しているのが「酢酸」です(※一部を除く)。

この酢酸に、食後の血糖値の上昇をゆるやかにするという効果があることが、研究で判明しました。

血糖値改善のためには、毎日継続的に大さじ1杯(15ml)を目安に食事の中で摂るのがおすすめです。

いつ摂るのがおすすめ?

いつ摂ってもいいのですが、食後血糖値をゆるやかにする酢酸の働きを考えると、食事の最初に摂るのがおすすめです。

おすすめレシピ

様々な食材と組み合わせることで、さらにパワーがアップします。

血糖値が気になる方におすすめなのが「酢たまねぎ氷」。

これを摂り続けたところ、「糖尿病の薬を飲まなくてもよくなった」「改善した」という声が報告されています。

作り方については、「たまねぎ【血糖値を下げる食べ物】」で詳しく紹介していますので、こちらをご覧ください。

身近なお野菜で、生でも、焼いても、煮込んでも、揚げてもよし!オールマイティに使える玉ねぎ。血糖値を下げる働きをしてくれる成分もしっかり含まれています。そんなたまねぎの成分を効率よく摂れる、「たまねぎ氷」の作り方も紹介します。

その他の主な健康効果

ダイエット効果

肥満気味の人がお酢を毎日大さじ1杯とり続けると、内臓脂肪を減少させる効果があることが実証されています。

内臓脂肪は高血糖の要因の一つ。

内臓脂肪が減れば体重も減少、血糖値の改善も期待できます。

血圧を下げる効果

毎日大さじ1杯のお酢を摂り続けると、高めの血圧が下がることが証明されています。

また押すには、料理全体の味を引き立たせる効果があるため、塩をたくさん使わなくても、味をぼやけさせずおいしく食べることができ、結果、減塩につながります。

減塩は、高血圧の予防や改善にもつながるので、一石二鳥です。

疲労回復

お酢には食事で摂ったものの栄養を体にとり入れやすくする働きがあります。

体内のエネルギー源の一つであるグリコーゲンを効率的に体に再補充し、疲労回復をサポートしてくれます。

食欲増進

お酢の酸味には唾液の分泌を促す働きがあります。唾液の量が増えれば、消化吸収もアップ!

夏バテなどで食欲がないときもすっきりとした酸味が、食欲を促してくれます。

骨粗鬆症予防

酢酸にはカルシウムの体内での吸収をよくする働きがあります。

カルシウムを多く含む食品をお酢を使って料理することでカルシウムの吸収力がよりアップ!

特に、成長期の子どもや骨粗鬆症予防の方は「カルシウム豊富な食材+お酢」おすすめです。

主な種類

お酢は様々な原料から作られます。

米や小麦などを原料とする「穀物酢」、りんごやぶどうなどの果実から作られる「果実酢」、また珍しい原料から作られるものもあります。

穀物の酢

穀物酢

米や小麦、とうもろこし、酒粕などをブレンドして醸造した、日本で一般的なお酢。

くせがなくさっぱりとした味わいです。

米酢

原料に1リットル中、米を40g以上使用したもの。

米だけを使用したものを「純米酢」といいます。

まろやかな風味で、酢の物やすし、甘酢漬けなど、和風の料理に合います。

黒酢

玄米、または玄米に小麦が大麦を加えたもののみを使用。

発酵や熟成によって色の濃さが違います。

通常の酢より栄養価が高いと言われ、アミノ酸が豊富なものが多く、まろやかな酸味が特徴。

肝臓を老けさせないパワーが期待できます。

玄米酢

玄米を原料にしたお酢。

玄米由来のうまみ成分が含まれており、くせがなく、やわらかな酸味が特徴です。

果実の酢

りんご酢

原料に1リットル中、りんごの絞り汁を300ミリリットル以上使用したもの。「アップルビネガー」「シードルビネガー」とも呼ばれます。

カリウムが豊富なので、余分な塩分を排出してくれ、血管を老けさせず、生活習慣病の予防に役立ちます。※腎臓が悪い方はカリウムの摂り過ぎにご注意ください。

フルーティーな香りと酸味が特徴。

ドリンクとして、またドレッシングなどにおすすめです。

バルサミコ酢

「バルサミコ」とは、「すばらしい香り」という意味。

ぶどう果汁を煮詰めて熟成させたもので、まろやかな酸味と独特のコク・甘みがあります。

活性酸素を退治するポリフェノールが豊富!穀物酢の9倍!

肉料理やデザートのソースにおすすめです。

ワインビネガー

ぶどう果汁またはワインを原料として作られます。

”白”と”赤”の2種類あり、”白”はあっさりとして軽い口当たりで、ドレッシングやマリネにぴったり。

一方”赤”は、わずかな渋みと、コクがあり、煮込み料理やソースに使うのがおすすめです。

珍しいお酢

きび酢

鹿児島県奄美地方に400年前から伝わる製法で作られる、さとうきびが原料のお酢。

ここでした作ることができないお酢です。

米酢と比較して、カリウム:約20倍、カルシウム:約8倍、鉄:約6倍、マグネシウム:約2倍。

ミネラル豊富な土壌で育ったさとうきびが原料だからこそです。

モルトビネガー

大麦の麦芽ととうもろこしの抽出液を発酵させて作られる「モルトビネガー」。

イギリスでは、フィッシュアンドチップスに欠かせないポピュラーなお酢です。

香酢

もち米を原料とする、濃厚で独特の香りとまろやかな酸味、甘みが特徴。

中国の伝統的なお酢です。

すっぱいのが苦手な方は?

最近は酸味を抑えたマイルドで使いやすいものもありますので、いろいろ試して見られるのが良いと思います。

私の母は酸っぱいのが苦手ですが、りんご酢ドリンクはおいしいと飲んでいます。お水などで割って飲むのですが、濃さを自分で調節できるのでおすすめです。

またお酢は火にかけると、味や香がまろやかになります。

加熱をしても成分は変わりませんので、加熱調理する料理に入れるのもおすすめです。

注意ポイント!

お酢には様々な健康パワーが詰まっていますが、それだけ摂っていればいいというわけではありません。

食生活を見直し、運動や生活習慣の改善が必要です。

また1度にたくさん摂っても意味はありません。

継続が大切です。

さらに以下の点に気をつけましょう。

空腹時は避けましょう。

空腹時に酢をとると、酢酸成分が胃腸内を刺激して荒れてしまい、胃痛の原因となってしまうことがあります。

胃腸の弱い方も注意が必要です。

酢を飲んだままにするのは うがいをしましょう。

酢酸成分には、物を溶かす力があります。

酢を飲んだままだったり、そのまま寝てしまったりすると、歯が溶けてしまう酸食歯の原因になります。

うがいをすることが大切です。

歯のエナメル質を酢酸から守りましょう。

まとめ

食後高血糖を抑えてくれ成分が含まれている注目のスーパー調味料・お酢。

近年 研究が進み、お酢の主成分である酢酸には、血糖値の上昇をゆるやかにしたり、高めの血圧や中性脂肪値を低下させたりする効果があることが科学的に判明しました。

さらに、たまねぎなど、健康効果の高い食材と組み合わせると、相乗効果が生まれ、さらにパワーアップ!

酢ドリンクや調味料として、また様々な食材と組み合わせた「健康酢」など、いろんなバリエーションを楽しみながら食生活に加えてみてください。