たまねぎ【血糖値を下げる食べ物】

多くのフィトケミカルを含み、予防医学の観点から特に注目を集めるたまねぎ。

最も身近なお野菜であり、和・洋・中、様々な料理に活用でき、生でも、焼いても、煮込んでも、揚げてもよし!

オールマイティに使える玉ねぎに秘められた健康パワーを紹介します。

もちろん血糖値をサポートしてくれる成分もしっかり含まれています。

目次

たまねぎとは?

中央アジア原産とされる、ネギ属の多年草。

起源は古く、古代エジプトではピラミッド建設の時、労働者のスタミナ源として食べられていたといわれています。

日本には江戸時代に伝えられましたが、栽培されるようになったのは明治時代になってからです。

たまねぎは品種が多く、中でも黄たまねぎが一番流通し、よく食べられています。他にも、赤タマネギ(紫タマネギ)、小たまねぎ、新たまねぎ、シャロットなどがあります。

イソアリソン&ケルセチンが糖対策に有効!

血糖値を下げる働きをしてくれる玉ねぎに含まれている主な成分が、「イソアリソン」と「ケルセチン」です。

イソアリソン

たまねぎを切っていると涙が出る、止まらないという経験された方、多いと思います。

その成分が、イソアリソンです。

イオウ化合物の一種で、様々な働きがあります。

 -主な働き-
・血液を固まりにくくし、血液の流れをよくする。
・血中脂質を減らす作用
・消化液の分泌を助ける作用
・ビタミンB1の吸収を助ける作用
・カルシウムの吸収を助ける作用

ケルセチン

抗酸化作用が強く、血管をしなやかにしてくれる成分です。

また、腸内に溜まる脂肪を排出し、肥満防止にも役立ちます。

イソアリソン、ケルセチンは、相乗的に作用し、血液中のインスリン作用を高め、糖の代謝を活発にします

その結果、血糖値が下がります。

たまねぎを適量食べ続けたところ、血糖値が下がり、安定したという方も多いです。

その他の栄養素

-主な栄養成分-(100gあたり)

エネルギー 37kcal
炭水化物 8.8g
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB6 0.16mg
ビタミンC 8mg
カリウム 150mg
カルシウム
21mg
食物繊維 1.6g
糖質 7.2g

硫化アリル

鼻や目にツンとした刺激を与える成分が硫化アリルです。

その一種であるアリシンは、ビタミンB1の体内への吸収を高め、効果を持続させる働きがあります。ビタミンB1と結合し、長時間作用することで、糖質が効率よくエネルギーに変えられ、疲労回復やスタミナ増強につながります。

また血栓をできにくくしたり、胃の働きを活発にしたり、殺菌作用も期待できます。

硫化アリルは水溶性なので、水に長時間さらしてしまうと流れてしまいます。洗うときは手早く洗いましょう。

ビタミンB6

たんぱく質のアミノ酸の再合成を助ける働きがあり、皮膚や髪などを健康に保ちます。

また脂質の代謝を促し、肝臓に脂肪がたまるのを抑え、脂肪肝の予防に役立ちます。

ビタミンC

コラーゲンを合成し、皮膚や骨、血管、筋肉などを丈夫にします。

また白血球の働きを高め、免疫力を高めたり、抗ストレスホルモンの合成に関わったり。さらに、メラニン色素の合成を抑えてくれるので、シミ予防や美肌にもつながります。

カリウム

カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保つ成分です。

余分なナトリウムの排出を促して血圧を下げたり、腎臓からの老廃物の排出を促す作用もあります。

特に筋肉細胞に多く、筋肉の動きをよくする働きを持つミネラルです。

一口メモ:たまねぎの皮には、抗酸化作用がある成分が豊富!皮には、ポリフェノールの一種、ケルセチンが豊富に含まれています。

ケルセチンには、抗酸化作用があり、コレステロールをコントロールする働きや動脈硬化の予防などが期待されています。細胞の酸化を防ぐため、老化防止にも役立ちます。

そのため、捨ててしまうのはもったいない!

無農薬など安全性が高いたまねぎをていねいに洗い、皮ごとスープをとって使うと効率よく摂取できます。

ケルセチンは水溶性なので、洗うときは手早く済ませましょう。

おいしく食べるコツは?

たまねぎは、生や炒め物、じっくり炒めてソースのベースにと万能野菜です。サラダにカレー、炒め物、スープと、様々な料理にお使いいただけます。

有効成分を逃がさないためには?

硫化アリルやケルセチンなどは水溶性なので、水に長時間さらしてしまう流れ出してしまいます。

水で洗ったり、さらしたりする際は、手早く済ませましょう。

調理の際、涙を防ぐには?

たまねぎといえば、切った時に涙が出ることがあります。

これは、たまねぎに含まれるアリシンが気化し、目の粘膜を刺激するためです。

防ぐコツはよく切れる包丁で手早く切ること。切れない包丁で切ると、たまねぎの繊維がつぶれ、涙を出す成分が空気中に広がってしまいます。

また、皮を剥いたたまねぎを冷蔵庫に入れて冷やしてからきると、涙が出にくいです。

甘みを活かすなら?

炒めるほどに、たまねぎの硫化物が甘みの強いメルカプタン(砂糖の甘みの50倍)に変わります。

甘みを活かすなら、じっくり炒めるのがポイントです。

糖尿病改善におすすめ!「たまねぎ氷」の作り方

毎日食べているという方も結構おられますが、適量を継続して食べ続けるって結構大変です。

そこでおすすめなのが「たまねぎ氷」。

たまねぎ氷

一度にまとめ作りをしておくと、いろいろな料理に使えて便利です。

[材料]製氷皿2~3枚分
・たまねぎ 4個(約1kg)
・水 1カップ

[作り方]

  1. たまねぎの皮を剥き、上側と根を切り落とす。
  2. ポリ袋に入れ、口は閉じずに耐熱皿にのせ、電子レンジ600Wで20分加熱する。
    ※袋の口を閉じないようにしましょう。破裂するおそれがあります。
  3. 粗熱が取れたら、ポリ袋にたまった汁ごとミキサーに移し入れる。
  4. そこに水1カップを加え、とろとろになるまでミキサーを回す。
  5. 冷ましてから製氷皿に流し入れ、ふたをかぶせて冷凍する。
  6. 凍ったら、ジッパー付きの保存袋などに入れ、冷凍庫で保存する。

冷凍庫で約2ヶ月間保存することができます。

作っておきさえすれば、入れるだけなので簡単、楽チン!

料理に加えることで甘みや旨味、コクが加わるだけでなく、塩分を減らす効果もあります。

安いときにまとめて作り置きしておけば、経済的です。

でもやっぱり家で作るのは大変という方は、購入することができます。

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酢たまねぎ氷

さらに健康パワーアップさせたい方は、「酢たまねぎ氷」がおすすめ!

酢には血糖値の急上昇を抑える働きがあります。たまねぎとの相乗効果で、より効果を倍増させてくれます。

[材料]
・たまねぎ 2~3個(500g)
・米酢 150ml
・はちみつ 1/2カップ
・塩 小さじ1/2

[作り方]

  1. たまねぎの皮を剥き、上側と根を切り落とす。
  2. ポリ袋に入れ、口は閉じずに耐熱皿にのせ、電子レンジ600Wで10分加熱する。
    ※袋の口を閉じないようにしましょう。破裂するおそれがあります。
  3. 粗熱が取れたら、ポリ袋にたまった汁ごとミキサーに移し入れる。
  4. そこに米酢・はちみつ・塩を加え、ピューレ状になるまでミキサーを回す。
  5. 冷ましてから製氷皿に流し入れ、ふたをかぶせて冷凍する。
  6. 凍ったら、ジッパー付きの保存袋などに入れ、冷凍庫で保存する。

※ハチミツによる血糖値の上昇が気になる方は、量を減らしたり、ハチミツの中でも抵糖質な国産アカシアハチミツを使ったり、または使わなくてもいいと思います。

こちらも冷凍庫で約2ヶ月間保存することができます。

「たまねぎ氷」や「酢たまねぎ氷」を摂り続けたことで、血糖値が下がり、数値が安定したという声もあがっています。

キューブになっているので、すぐに、手軽に使えるのがいいのだと思います。

選び方、保存法は?

たまねぎの選び方、保存方法を紹介します。

選び方

表面の皮がしっかりと乾いていてツヤがあり、かたいものを選ぶ。

たまねぎは乾燥させてから出荷されるので、表皮がよく乾いてツヤのあるものを選んでください。

また表面を軽く押してやわらかい部分があるものは、中が傷んでいる可能性があるので避けましょう。


たまねぎの頭の部分がかたいものを選ぶ。

たまねぎは頭の部分から傷んできます。しっかりとかたいものを選びましょう。


たまねぎのてっぺんから芽が出ていないものを選ぶ。

古くなってくると、たまねぎのてっぺんに棒のようなものが触ったり、また緑色の芽が出てきたりします。

また根が伸びすぎているものも味が落ちているので避けましょう。


同じサイズであれば、重くてしまったものを選ぶ。

同じサイズのものであれば、重くてかたくしまったものを選びましょう。

保存法

丸ごとの玉ねぎは、室温で保存できます。

風通しのよい日陰に、ネットなどに入れて吊るして保存してください。

切ったものは傷みやすいので、切り口にラップをぴっちりと当てて包み、ビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。

まとめ

たまねぎの持つ健康パワーは本当にすごいです。

糖尿病の面だけ切り取っても、イソアリソン、ケルセチンといった成分が、血液中のインスリン作用を高め、糖の代謝を活発にしてくれるので、結果、血糖値が下がります。

たまねぎは、一年を通してとても身近な野菜で、生でも、煮ても、焼いても、揚げても、和・洋・中どんな料理にも使える万能野菜です。

たまねぎ氷や酢たまねぎ氷の状態にしておくと、いつでもすぐに使え、さらに便利!

うま味が多く、コクも加わるので減塩効果もあります。ぜひ常備しておいてください。おすすめです。