がん【糖尿病が関係する危険な病気】とは？

2013年、日本糖尿病学会と日本癌学会によって開かれた委員会で、糖尿病とがんとの関連について報告書が出されました。

それによると、日本人の糖尿病の方は健康な人に比べ、1.2倍と高い確率でがんになることがわかりました。

中でも、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍、大腸がんは1.40倍と、がんの種類によってはさらにそのリスクが上昇します。

なぜなりやすい？

糖尿病があるとなぜがんになりやすいのか、その要因がいくつか考えられます。

インスリン作用不足による高インスリン血症

インスリン作用が不足すると、それを補うためにさらにインスリンが分泌され、血液中に過剰になる「高インスリン血症」の影響が大きいのではないかといわれています。

これが細胞内のDNAを傷つけ、それを修復する過程でなんらかの異常が起き、腫瘍細胞の増殖にスイッチが入りがん化してしまうと考えられています。

糖尿病とがんの危険因子は重なる

2型糖尿病とがんを発症させる危険因子の多くは重なっています。

加齢、肥満、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、喫煙、飲酒、不眠、ストレスなどは、いずれも糖尿病とがんの発症リスクを高める危険因子です。

予防するには？

生活を改善し、適切な食事、適度な運動、体重コントロール、禁煙、節酒、快眠、ストレス解消などを心がけることで、糖尿病の発症・進行を抑え、がんの予防にもつながります。

１．たばこは吸わない

２．他人のたばこの煙をできるだけ避ける

３．お酒はほどほどに

４．バランスのとれた食生活を

５．塩辛い食品は控えめに

６．野菜や果物は不足にならないように

７．適度に運動

８．適切な体重維持

９．ウイルスや細菌の感染予防と治療

１０．定期的ながん検診を

１１．身体の異常に気がついたら、すぐに受診を

１２．正しいがん情報でがんを知ることから

（国立がん研究センターがん予防・検診研究センター『がんを防ぐための新12か条』）

注意ポイント！

がんを早期発見するには、がん検診が必要です。

糖尿病の治療で病院に定期的に通い、血液検査などをしていると、「がんがあったら見つかるのでは」と、がん健診を受けない方がいますが、それは間違いです。

糖尿病で通院している時に行う定期的な検査項目は、「検尿、血糖、血糖コントロールの指標（HbA1c、グリコアルブミン、フルクトサミン、1.5AGなど）、脂質など」。

がん発見のための検査は行われていません。

がんの早期発見には、別途、がん検診を受けましょう。

自宅でできるがん検査を活用しよう！

がんの早期発見のために、定期的に人間ドックや各種がん検診を受けることが大切です。

しかし、仕事が忙しかったり、子どもや介護などがあってなかなか行けなかったり・・・

様々な事情があり、なかなか病院に行けないという方も多いと思います。

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まとめ

がんを予防するためには、しっかりと血糖コントロールをして糖尿病を悪化させないことが大切です。

そのためには、食事や運動、症状によっては薬物療法をしっかり行い、禁煙、節酒などを心がけましょう。

そしてがんの早期発見のために、定期的にがん検診を忘れずに。